私がいつも歩き回っている脊振山地をご紹介します。
福岡県と佐賀県の境に東西50kmに及ぶ山地が脊振山地です。
最高峰は脊振山(1055m)、東の九千部山(847m)から西の浮嶽(805m)までは800~1000mの稜線が連なっていて福岡市西部側からみると南に壁のように見えます。
脊振山の山頂には航空自衛隊のレーダー基地があり周辺に気象庁のレーダードームも建てられています。
成り立ちは断層地形と言われており、南の佐賀県側が隆起してできた山で、断層面である福岡県側が急峻に、南側は緩やかな地形になっています。
このため、佐賀県側は稜線近くまで造林も行われ林道などが通っていてアプローチはしやすいのですが、福岡県側の方は沢や滝などが多く山歩きとしては楽しめるルートが多くなっています。
また、北側の玄界灘(日本海)と南側の有明海(内海)の間に
横たわっているため雨や雪が降りやすく、霧も出やすいので水が豊富で稜線付近にはブナやアカガシの森が広がり大都市近郊のわりに豊かな自然に恵まれています。
また盟主である脊振山の山頂には弁財天や役行者(役小角)の像がまつられ、日本で初めて栄西禅師により植えられた茶の木、九千部山の伝説や花乱坊の言い伝えなど歴史や伝説もたくさんあります。
最近では佐賀県側に嘉瀬川ダム、福岡県側に五ヶ山ダムといった大規模なダムが建設さ
れたほか、西の端の浮嶽付近に風力発電施設の建設計画や山地の地中に建設する国際リニアコライダーの誘致計画があったり…開発しやすい山域なのでしょうが、もうそろそろ大規模な構造物の建設はやめていただきたいなという気もします。
最近はアウトドアブームのおかげかかなり登山者も増えているように思います。
ただ森の中を歩くのも気持ちよくて楽しいのですが、ぜひ登山道のまわりの木々や花にも目を向けて歩いてみてください。
脊振山地の豊かな自然に気づくことができると思います。