まだ気温が安定しませんがすっかり春らしくなってきたので春の花を求めてアンノ滝から水無谷経由で井原山を目指しました。
早速登山口へ向かう道路脇の沢沿いにタブノキの花が咲き誇っています。
タブノキはシイやカシの仲間とともに照葉樹林を代表する樹木ですね。
あまり花を気にしたことはありませんでしたが、よく見るとこんな花なんですね。
林道や登山口付近ではムラサキケマンやフウロケマンが見られます。
どちらもケシ科のキケマン属ということですが茎などには毒があるそうです。
フウロケマンによく似た黄色い花のキケマンは海岸沿いに多くてキケマンに比べるとフウロケマンは貧弱に感じます。
登山道に入ってしばらくすると日陰の斜面にサツマイナモリが咲いていました。
これも比較的標高の低いところではよく見かけますね。
林道を渡って杉林を抜けしばらく歩くとアンノ滝につきます。
アンノ滝の下に比較的大きなヤマザクラの木があります。
今日の目当てのひとつでしたが…花が終わってるのかな?
すっかり寂しくなってます…が、よく見ると花びらが全然落ちてないので花はまだこれからのようです。
ヤマザクラはソメイヨシノと違って花と葉が一緒に出てきます。
花は少し控えめな感じがします。
沢沿いにはニリンソウやヒトリシズカも咲き始めています。
アンノ滝を過ぎて少し上から分岐を左に瑞梅寺川の源流を経由して一旦水無谷におります。
水無谷にはコクサギがたくさんあって、春先からさわやかな柑橘系の香りがします。
もう芽が出ていて花ももうすぐ咲きそうですね。
よく似た黄色い花も咲いてます。
クロモジは若い枝が黒や緑色なのでわかりやすいのですが、アブラチャンとシロモジ、ダンコウバイも葉が出る前はわかりにくいですね。
このあたりの木は前年の葉が残っているものがあるので、上の二つはそれで判別しました。
特にダンコウバイとシロモジは3裂した葉で独特の形をしているので葉っぱさえあればすぐにわかります。
あと、水無谷といえばキツネノカミソリですが、この時期は落葉樹の林床に葉が茂ってこれも独特な風景になります。
それからあちこちにスミレの花も咲いています。
スミレは地域で変種が多いので本当に難しい。いがりまさしさんのスミレの図鑑を10年以上前に買ってしばらくにらめっこしてましたが、やっぱりわからない。
上のスミレたちは葉に特徴があるのでわかりやすいのですが…
スミレは花の後ろの「距(きょ)」と呼ばれる部分が大工さんが使う墨壺(墨入れ)に似ているので墨入れ→すみれとよばれるようになったそうです。
花や葉の特徴の他この距の形なども判別の材料になります。なかなかわかりにくいけど…
稜線沿いの落葉樹の森を歩いているとコゲラがこんこんと木の幹をつついていました。
コゲラはスズメくらいの大きさで、日本で一番小さなキツツキだそうです。
留鳥ですので一年中みられますが、いつも木の枝を登っていきながらエサを探しているので樹木の葉が落ちている冬場が一番見やすいでしょうね。
これからの季節は次々にいろいろな花の時期が始まるので楽しみですね。
みんなで山や森に出かけましょう!
2022年4月2日山行