しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

初秋の井原山 水無渓谷

井原山の上にうろこ雲

 ここのところ、小学校関係の自然教室やら、自然ガイドの講習会やら森林インストラクターのお仕事がたて込んでいて、あまり脊振にも出かけられなかったのですが、土日が空いたので、軽めの井原山へ出かけてきました。

 やはり、1時間あまりで山頂に行ける水無渓谷のコースは、手軽でありながらたくさんの自然にふれあえる素晴らしいコースです。

 

 水無渓谷には、そこそこの規模の鍾乳洞があります。

 現在は立入を禁止されていますが、20年ほど前に入口から10mくらいまで入ってみたことがあります。

 有名な鍾乳洞のように整備されていないのでヘッドランプ付けて足下もつるつるで…自然そのままの洞穴でした。

 登山口から沢沿いを歩いて行くとあちこちに石灰岩がごろごろしていたり、沢沿いに石灰岩の層が見られたりします。

水無渓谷の沢

片岩と石灰岩の層

 山頂方面に向かって沢の右側に石灰岩の層が見られます。

 上の写真で下半分の白っぽいところが石灰岩、上の黒っぽいのは片岩の層のようです。 

 

新村別れへの分岐の大きなカヤの木

 少し登って鍾乳洞の第2入口付近、新村別れへの分岐に大きなカヤの木があります。

 この沢沿いには、カヤやイヌガヤの幼木をたくさん見かけますが、こんな立派なカヤはあまり見かけませんねえ。

 

 ケヤキの大木もよく見かけます。

こうぞ岩横の大ケヤキ

 これは、コウゾ岩の手前の大ケヤキです、

 奥にコウゾ岩(フクロウ岩)が見えます。

 コウゾ岩の下の流れは石灰岩層から流れ出る水で飲むことができます。

 

沢沿いにはたくさんのミゾソバが花を付けています。

ミゾソバ(タデ科イヌタデ属)の花

白花のミゾソバ

 一見雑草のような植物ですが、よく見るとかわいらしい花がたくさん咲いています。

 色も薄いピンク、ピンクと白、白花…

 よく似たママコノシリヌグイもありますが、葉の形からミゾソバかと思います。

 でも、微妙なものもあるのでママコノシリヌグイも混ざっているかも… 

 

 秋なので色々な樹木の実も付いています。

アブラチャンの実

カナクギノキの実

サルトリイバラの実

ツチアケビの実
樹木じゃないけど…

イヌガヤの実

ケヤキの森は、まだまだ緑です。

ケヤキの森

 このケヤキの森は本当に気持ちのいい場所です。

 

 稜線に出ると気持ちのいい秋空が

井原山山頂から福岡市内を望む

秋の花も咲いています。

アキチョウジ(シソ科ヤマハッカ属)

キツリフネ(ツリフネソウ科)

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

 ツリフネソウはいつ見ても面白い花です。

 キツリフネに比べて、ツリフネソウの方がピンクが派手でちょっと…あまり…

 でも、この上の写真の花は上品なピンクできれいですね。

 

またまた、アキノギンリョウソウ。

ギンリョウソウ(ツツジ科シャクジョウソウ属)

 

山頂付近のササの中にツルリンドウが咲いていました。

ツルリンドウ(リンドウ科ツルリンドウ属)

この花も井原山山頂にはたくさんあったんですが、この日ササの根元を探し回って、このひと株だけでした。

こんな、「普通」と思っていた花たちもずいぶん減ってきたように感じます。

 

下りはアンノ滝方面から、途中で水無側に下りる尾根道を行きます。

尾根の照葉樹の森

ケヤキの根元に…

センチコガネ

センチコガネはまだまだ頑張ってます。

少し元気なさそうでしたが…

 

沢沿いのイロハモミジの葉

 この時期はまだ夏と秋の狹間の端境期のようですね。

 10月に入ると秋の花も咲き誇ると思います。

 涼しくなるし、楽しみですね。

 

 2,022年9月24日山行

 

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