しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

車谷から脊振山へ

最近は、車谷を登って矢筈峠を右に行き椎原峠、鬼が鼻を回って下りてくるお気楽コースばかりだったので、今回は久しぶりに脊振山頂に登り、でも、鬼が鼻のマンサクも気になるので、鬼が鼻にも回ってみることにしました。

といっても、ゆっくり歩いて6時間程度の比較的楽なコースです。

脊振山(1055m)山頂

脊振山の山頂は標高1055m、佐賀県と福岡県の県境になります。

山頂付近には脊振神社上宮の石の祠と航空自衛隊のレーダードームが隣接し、不思議な光景が見られます。

雨や雪が降りやすく、霧もよく出るので、植物、昆虫、小動物など自然豊かな山ですが、何しろ山頂付近に人工物が多く、車でも山頂直下まで行けるので、山好きの人の中には、あまり良い評価をしない方も多いようです。

でも、本当にいい山なんですよ。

 

車谷の上の林道までのケヤキの森にホソバナコバイモの花がたくさん咲いています。

ホソバナコバイモ(ユリ科)

覚えにくい名前ですが、細花-小-貝母ということで、もともとバイモユリ(貝母)という植物の仲間で花が細くて、小さいということですね。

イモではありません。

標高が高い脊振山頂付近にもたくさん咲いていました。

下向きの小さな花は、なんとなく可憐な雰囲気です。

脊振山頂下に咲いていたホソバナコバイモ

 

車谷の沢できれいな色のヤブツバキが咲いていました。

ヤブツバキ(ツバキ科)

お仏壇やお墓に供えるシキミの木にも花が咲いています。

シキミ(マツブサ科)

 

沢沿いにアブラチャンやシロモジの花も咲いていました。

アブラチャン(クスノキ科)

アブラチャンは、その実から油がとれるということだそうです。

同じ、クスノキの仲間のクロモジ、シロモジ、ダンコウバイ等とよく似た、黄色い花を咲かせます。

 

クロモジ(クスノキ科)

そういえば、春先に咲く花は黄色が多いような気がしますねえ

 

そこで、もう一つ黄色い花

先日も紹介した、錦糸玉子のような花、マンサクです。

マンサク(マンサク科)

マンサクも先々週よりたくさん咲いています。

 

花はありませんが、ブナの木にヤドリギが…

ヤドリギ(ヤドリギ科)

ヤドリギは、半寄生植物で、樹木の樹皮に寄生して宿主から栄養をもらいますが、自分でも光合成をするそうです。

また、種は鳥が食べて糞と一緒に散布するんですが、粘着性があるので、樹皮にくっついて発芽します。

土の上では発芽しないそうです。

なんとも、面白いですね。

 

脊振山頂付近の登山道には一部木道が付けられています。

見た目の雰囲気はいいですね。

脊振山頂下のキャンプ場へ繋がる木道

ただ、結構滑りやすい…

唐人の舞下から金山方面のやまなみを眺める

何にも起こらなければいいのですが…

龍神池

脊振のキャンプ場の隅にある竜神池が完全に干上がっていました。

1年半前の夏にのぞいたときは、水を満々とたたえていてトノサマガエルもいたんですが…

ここは、水源がはっきりしない池で、いつでも水が涸れない池だったんですが、まさかこんなに干上がっているとは。

 

気象台道路の脇にフキノトウがたくさん顔を出していますが、もう食べるには花が開きすぎていますねえ

フキノトウ(フキ=キク科フキ属)

こちらは、新芽がおいしそうに見えるんですが、猛毒があります。

熱しても毒は消えないそうなので、絶対に食べないように

バイケイソウの新芽
猛毒があります

 

森の中の少し日陰の場所にツクシショウジョウバカマの花がたくさん咲いています。

ツクシショウジョウバカマ(シュロソウ科)

もともと、花の色が猩々(しょうじょう)の顔のような赤色だったので、ショウジョウバカマという名前になったそうですが、「ツクシ」になると、花はどちらかというと白色で、名前の由来がどこかへ…

 

ところで、春になると小鳥ちゃんたちも活発になりますね。

シジュウカラ

ヤマガラ

エナガ

いつも、一緒に飛び回っている仲良し三種です。

この3種類の小鳥たちは必ず一緒にやってきて、まず、エナガがせわしなく飛び去ったあと、ヤマガラとシジュウカラが暫くのんびりして、どこかへ去って行きます。

これに、コゲラも入りますから、仲良し4種ですね。

こういうのを「混群」と言うそうです。

混群の主な理由は、外敵から身を守るために多くの鳥同士で周辺を警戒し情報交換をするためのようです。

 

春は命が動き出す季節ですね。

色々と楽しみが増えていきます。

 

2023年3月19日山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は地域の人々に自然や森林の大切さを伝えています。