しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

連休中でも誰もいない静かな山へ

連休中ですが、あまり天気も良くないし、とはいえ井原山や脊振山付近はミツバツツジを見に多くの人出がありそうなので、間違いなく人の少ない羽金山へ出かけてみました。

河童山山頂から羽金山のアンテナを望む

羽金山の山頂には、日本に2か所しかない電波時計用の電波塔が建てられています。

山頂の電波塔の施設は立ち入り禁止ですが、インターホンでお願いすれば、山頂までは行かせてもらえます。

…が、別にピークハントではないので、山頂へは行かず、アンテナを過ぎて羽金山西隣の河童山まで歩きました。

 

長野峠からの登山道(縦走路)はスギの人工林が続きますが、よく手入れされていて林床まで日差しの届く気持ちのいい森です。

 

明るいスギ林

スギ林の林床にはアオキやヒサカキを中心に、ヤブニッケイ、シロダモ、クロモジ、ツゲ、サンショウ…多様な木々が見られます。

 

面白い形のスダジイの木

アカメガシワ(トウダイグサ科)

カラタチバナ(サクラソウ科)の葉

カラタチバナは、雷山から東側の脊振山地ではあまり見かけないような気がしますが、ここにはたくさんあります。

仲間のヤブコウジはよく見かけるんですけど…

 

オカウコギ(ウコギ科)

ユズリハ(ユズリハ科)

羽金山に近づくと、ユズリハの高木が多く見られます。

この時季ちょうど、「譲り」の最中ですね。

 

ハナイカダも結構たくさんあります。

ハナイカダ(ハナイカダ科)

サンショウ(ミカン科)の花

サンショウは、葉っぱをちぎると柑橘のさわやかな香り。

 

ホウチャクソウは、今が花盛りですね。

ホウチャクソウ(イヌサフラン科)

カノコソウ(オミナエシ科)のつぼみ

羽金山山頂付近の日当たりの良い草むらにカノコソウがもうすぐ咲きそうです。

 

 

虫たち…

ツチハンミョウ

触っちゃダメな虫、ツチハンミョウです。

日当たりの良い場所に2匹いました。

 

これは、ベニボタルの仲間のようです。(ちょっとぶれちゃいましたが)

ベニボタル

頭部と胸部が赤っぽく見えるので、ヒシベニボタルとか、そのあたりでしょうか?

ホタル上科ですが、もちろん光りません。

でも、毒があるようですので、絶対に食べてはいけません。(食べないとは思うけど)

この赤い色が、「毒があるぞ」というアピールだそうですが、毒がないのに真似をしている虫がいます。

ベニカミキリやベニコメツキ、アカハネムシといった虫たちです。

参考までに…

ベニコメツキ(左) アカハネムシ(右)

よく似てるでしょう?

これは、毒のある虫のふりをして、身を守るひとつの「擬態」です。

 

さっきのサンショウの花にハナカミキリがくっついていました。

フタオビチビハナカミキリ

羽金山の登山道にぽろっとセミの幼虫が…

抜け殻かと思ったら、生きてました。

セミの幼虫

この時季だと、ハルゼミかヒメハルゼミでしょうか?

ハルゼミは、今の季節松林でよく鳴いています。

 

気持ちのいい落葉樹の森

連休中にもかかわらず、一人の登山者にも会わず、本当に静かな山歩きができました。

スギ林や人工物も多いので、好んで歩く人もいないのでしょうが、個人的には結構好きな山です。(今回かなり久しぶりでしたが…)

 

 

2023年5月4日山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は地域の人々に自然や森林の大切さを伝えています。