ここのところ、土日にイベントごとやこまごました所用で、全然山に行けない日が続いていましたが、やっと出かけることができました。
久しぶりなので、足慣らしがてら井原山・水無渓谷のルートをのんびりと
登山口から沢を渡るとすぐに目の前の葉っぱに小さなカタツムリが…
かわいいといえばかわいい…、気持ち悪いといえば…(苦笑)
今の時季は、ウツギが花盛りですね。
ウツギの名がつく植物は、茎や枝が中空に、つまり空洞になっているものがほとんどです。
ウツギ=空木
主にアジサイ科のものとスイカズラ科のものがあります。
下の写真のウツギには、スジグロシロチョウが来ていますね。
こんな感じのちょうちょです。
モンシロチョウによく似ていますが、翅に丸い紋がありません。
水無鍾乳洞の第2入口への分岐から少し進むと、こうぞう岩という岩があります。
「こうぞう」とは、方言で(糸島地区?)ふくろうのことだそうです。
そういわれれば、フクロウに見えないこともないです…か?
この辺りに石灰岩質の地層で、鍾乳洞があって、石灰岩がごろごろしています。
この「こうぞう岩」も石灰岩が雨などで削れて、こんな形になっているみたいです。
この岩の下から流れ出る水は、石灰岩質からの湧き水で、飲むことができます。
山を歩いていると、足元にたくさんの白い花が落ちているのに気付きます。
上を見上げると、エゴノキの花が鈴なりに咲いています。
実にはサポニンが多く含まれていて、口にするとえぐくて食べられないので、エグの木から「エゴノキ」
森の中には、サイハイランの花があちこちに
枯れているのかと思うほど、地味な花ですが、よく見ると花弁、萼片と唇弁とちゃんとランの花の構造になっています。
何度も紹介していますが、将がふるう「采配」に似ているので「サイハイラン」です。
マタタビの葉っぱが白いペンキをかけられたようになっています。
これは、自ら葉の中に空気を入れて白く見えるようにし、蝶やハチを呼び寄せているといわれています。
蝶やハチは、白や黄の色で花を探しているそうです。
キイチゴがなっていますね。
この山には。黄色い実のナガバモミジイチゴとこの赤い実のクマイチゴがたくさんあります。
個人的には、少し上品な風味のクマイチゴの方が好きです。
谷沿いで時々せわしないさえずりが聞こえてきます。
小さな小さな鳥、ミソサザイのさえずりです。
ところで、古代日本の仁徳天皇という方をご存じでしょうか?
漢風諡号が「仁徳天皇」、和風諡号は「大鷦鷯の命(おおさざきのみこと)」
「さざき」とはこのミソサザイの古名だそうです。
当時ミソサザイは、吉兆の鳥と言われていたようです。
生き物たちが元気ですね。
子供たちに人気のカナヘビ。
恐竜っぽいのがいいそうです。
ヘビの名がついていますが、トカゲの仲間です。
スイカズラの花も咲いています。
スイカズラの仲間は、花の色が咲いているうち変わっていくものが多いようです。
一番はっきりしているのは、ニシキウツギですね。
こちらはアジサイ科のウツギ
コガクウツギです。
アジサイの仲間らしく、花のような、花より目立つ装飾花があります。
稜線ではヤマボウシがたくさん咲いています。
秋になる実はおいしいですね。
街路樹でよく見るハナミズキはこの仲間です。
これはタンナサワフタギの花
沢をふさぐように生えるので「サワフタギ」ですが、この辺りでは稜線の方がよく見かけます。
ヤマツツジも
タツナミソウも
今、山の花は少し端境期ですが、それでも色々な花が見られます。
イチヤクソウは、まだつぼみでした。
スギ林では、ツクバネソウがまだ咲いていました。
虫たちも元気です。
ルリタテハは、全体には黒っぽいチョウですが、翅の青い帯が美しい。
春から夏、秋と、この季節は花や虫や生き物たちが元気で、楽しいですね。
そろそろ、九重あたりにも出かけたいなあ…
2024年6月2日山行