晴天の予報でしたが、糸島平野から望む井原山の稜線は雲の中。
かえって涼しそうな気もするので、水無渓谷から山頂を目指しました。

水無谷には石灰岩の層があり、水無鍾乳洞があります。
鍾乳洞の下の入口(第1洞口)から10mほど中まで歩いて入ることができましたが、20年ほど前に事故があって現在は立入り禁止となっています。

水無鍾乳洞の第2洞口から少し進むと石灰岩がごろごろと積み上がったような斜面があり、夏場には岩の隙間から冷たい風が吹く出してくることもあります。
この辺りは岩も木々もコケに覆いつくされて、全面緑色。

今にも転げ落ちてきそうな大きな石灰岩が、カヤの木にのしかかっています。
気付かないといいんですが、知ってしまうと下を通るときちょっと怖い。
少し標高が上がると霧が出てきて、森の景色も幻想的になってきます。


樹木と花
鍾乳洞第2洞口付近の分岐に大きなカヤの木があります。

まるで分岐の目印のようです。
木全体がコケとマメヅタにおおわれています。
沢沿いから稜線のあちこちにハンカイソウの黄色い花が見られます。



ハンカイソウは大きな草花で、そのたくましい姿から、漢の高祖劉邦の臣下で勇猛な武人「樊 噲(はんかい)」に因むそうです。
大きくて立派な姿ですが、花はきれいです。
先週脊振方面でも咲いていた花たち
今週、井原山でも


稜線ではオトギリソウも咲き始めています。


漢字で書くと「弟切草」
鷹飼の兄弟が、この草花を秘伝の薬草として秘密にしていたのですが、弟がこれを他人に漏らしてしまい、怒った兄が弟を切り殺してしまったという伝説にちなんだ名前だそうです。
実際に薬草として使われるそうです。
肉眼では見えにくいのですが、花弁や萼片に黒い油点がついていて、これが弟を切った時の血しぶきの跡と言われています。
こんなかわいらしい花ですが、壮絶なエピソードが…
薬草と言えば

イチヤクソウの花はもう終わっていました。
これも薬草です。
6月に清楚な白い花を下向きにつけます。
今年は見られなかった。


ツチアケビの花はもう終わりかけていましたが、きれいに咲いているものもあります。
ツチアケビは、見ての通り緑色の部分がなく、自分で光合成をせずナラタケというキノコの菌糸を通して他の樹木の根から栄養をもらって生きています。
ラン科の植物はそれぞれキノコの仲間の菌と共生していますが、多くの種は自分でも光合成をおこなって栄養を作り出しています。
ツチアケビは不思議な姿ですが、花をよく見るとやっぱりランの花ですね。
尾根道でヤブコウジの花が咲いています。

秋の赤い実が目立ちますが、花もかわいらしいですね。
花ではありませんが、サルトリイバラの実がブドウのようです。

実は秋に赤くなって、一応食べられるそうですが、おいしいかどうかは…?
クリスマスリースに使われることが多いですね。
あと、葉っぱは「がめの葉」とも呼ばれ、かしわもちのようにあんこ餅を包むのに使われることもあります。

花はまだまだですが、登山口付近にキツリフネの群落ができています。
つぼみも付いていたので、秋が楽しみですね。
虫たち
いろんな虫たちにも出会いました。


ちょうちょたちも



ツマグロヒョウモンはオス、メス両方いました。
右側はメスですが、少し色も褪せていて翅もぼろぼろ。
オスはまだ羽化してあまり経っていないのか、翅もきれいです。

ササ原の少し遠くにとまっていたアゲハチョウ。
多分クロアゲハのメスだと思います。

ヤマツツジの花にキアゲハが吸蜜にきてました。
この子も翅はきれいですね。
山頂では、眺望はまあまあでしたが、にぎやかなグループが登ってきたのでそそくさと下山しました。
登山口まで下りてくると、藪の中でギィギィと小鳥の声が

ソウシチョウです。
かなり警戒されてしまいました。
近くに巣でもあるのかな?
特定外来種ですが、在来の生態系への影響は今のところ確認されていないそうです。
きれいでかわいいんですけどね。
いずれウグイスとかメジロの生息に影響するかも…
ということで、湿気で蒸し暑い中、ゆっくりと散策してきました。
登山口の駐車場に着くなり、豪雨となりました。
早めに下りてきてよかった。
2025年7月12日山行