しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

ハイキングイベントのお誘い

皆様へ、イベントのお誘いです。

ふくおか森林インストラクター会では、5月に一般の方対象に山歩きのイベントを行います。

詳細は下の通りです。

 

脊振山麓 ミツバツツジの花のトンネルハイク

コバノミツバツツジ(ツツジ科)

日時  2024年5月12日(日)午前9:00集合

場所  福岡市早良区椎原(椎原の集落を出発して車谷~椎原峠を周回します)

募集  一般10名(小学生以上・中学生以下は保護者同伴でお願いします)

    登山初心者歓迎(自然を観察しながらゆっくり歩きます)

参加費 500円/人(保険料を含む)

申込み Eメールで、以下の内容を添えてお申し込みください。

   (参加者氏名、性別、年齢、住所、連絡先(携帯番号)、登山経験の有無)

    いただいたメールアドレスに、詳細を返信させていただきます。

    Eメール : forest.cbow@gmail.com  

締切り  2024年5月6日(定員になり次第締切ります)

 

※小学校低学年でも歩ける程度の行程ですが、登山道を歩きますので、一般的な軽登山程度の危険はあります、ご了承の上ご参加ください。

※花の咲き具合は、その年の気候などによって変わりますので、ご了承ください。

主催  ふくおか森林インストラクター会(担当 ちだ)

    お問い合わせも、上のメールにお願いいたします。

 

ミツバツツジのトンネル(縦走路にて)

 

ご都合あえば、皆さん、おいでになりませんか?

今年は、花がやや早いので、微妙ではありますが、他にも色々な花も見られますし、新緑もきれいだと思います。

森インストラクターがご案内しますので、いつもの山歩きでは気付けない自然の面白さや不思議さを感じることができるかもしれません。

 

脊振山付近の新緑

ハイノキ(ハイノキ科)の花

ホウチャクソウ(イヌサフラン科)の花

私も参加します、皆さんのご参加お待ちしてます!

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は地域の人々に自然や森林の大切さを伝えています。

春の花を求めて、またまた井原山へ

この時期になると、「花の山」井原山が気になります。

久しぶりに、キトク橋の登山口から、アンノ滝、瑞梅寺川源流を経由して、山頂を目指します。

ダルメキ谷コース途中のアンノ滝

このルートも、季節ごとに色々な草花に出会えるんですよね。

今日は、ヤマザクラ、ヒトリシズカ、トウゴクサバノオ…あたりかな?

 

タブノキ(クスノキ科)の花

登山口の駐車場も駐車スペースは満車で、他に空いたスペースにも車はとめられますが、最近がら空きのバス停広場に駐車して、車道をぶらぶら歩いて登山口に向かいます。

道路わきには、もう、タブノキやクロキの花も咲いています。

 

登山道の徒渉点で、古い倒木にカンスゲがたくさん着生しているのを見つけました。

生命力ですね。

倒木にカンスゲ(カヤツリグサ科)

 

上の林道からスギ林を登って行くと、すぐにヒトリシズカに会えました。

ヒトリシズカ(センリョウ科)

ひとりで静かには咲いてませんね。

大勢で楽しそうに咲いてます。

 

アンノ滝のヤマザクラ(バラ科)

今日の目的のひとつ、アンノ滝のヤマザクラ!

咲いてました。

もうそろそろ見ごろになりそうです。

 

滝のそばには色々な花

アンノ滝とヤブツバキ(ツバキ科)の花

フウロケマン(ケシ科)

ニリンソウ(キンポウゲ科)

水無渓谷ほど多くはありませんが、ニリンソウもぼちぼち咲いてます。

 

分岐から、崩れかけた斜面をトラバースすると、途中でヤブツバキの花がひとつ

山道にヤブツバキの花が

瑞梅寺川源流付近で、黄色く光る花?

イロハカエデ(ムクロジ科)の若葉

いやいや、イロハカエデの若葉に陽が当たって、黄色い花のように光っていました。

 

源流部から急登を登って尾根道へ

照葉樹の森の尾根道は木の根が絡み合っています

山頂から望む福岡市内は黄砂でかすんでいます

稜線から山頂では、南風ながら冷たい、強い風が吹きつけます。

おまけに、黄砂でかすんで360度の景観も、ほとんど何も見えません。

 

山頂から雷山への縦走路を下ると、湿った斜面にショウジョウバカマの花が咲いています。

ツクシショウジョウバカマ(メランチウム科)

これも、面白い

ヤマツツジ(ツツジ科)の新芽

ヤマツツジの新芽のようです。

なんか、面白いですね。

 

やっと、スミレの花も咲き始めています。

シハイスミレ(スミレ科)

シロバナナガバノスミレサイシン(スミレ科)

シハイスミレとナガバノスミレサイシン。

スミレには大きく、地上茎がある種類とない種類がありますが、この2種は地上茎がない(まはた発達しない)種類です。

スミレサイシンとは、スミレですが、花の後の葉っぱが、ウスバサイシン(ウマノスズクサ科)の葉に似ているという理由でついた名前だそうです。

井原山のダルメキ谷コースの尾根道では、この時期たくさんのシロバナナガバノスミレサイシンが見られます。

長い名前ですが、白花の長い葉っぱのスミレサイシンということですね。

スミレサイシンに蜂

そのスミレサイシンに、ハチ(かな?)が来ていました。

スミレは、花の後ろの「距(きょ)」が大工道具の「墨入れ(墨壺)」に似ているのでついた名前。

距に蜜があるので、口吻が長いハチ(特にミツバチ)が蜜をすいやすい形になっています。

受粉の媒介にミツバチをわざわざ選んでいるということですね。

 

脊振山地では、イヌシデやクマシデをよく見かけますが、このイヌシデは、幹に独特な縦じまがあります。

イヌシデ(カバノキ科)の幹は不思議な模様

この木は、特別面白い模様です。

ちょっと「ヒル」のようにも…(苦笑)

 

エンゴサクも2種

ヤマエンゴサク(ケシ科)

ジロボウエンゴサク(ケシ科)

ヤマエンゴサクとジロボウエンゴサク

ヤマはジロボウよりやや大型で、花の色が青紫。

ジロボウの花は赤紫。

でも、もっとも正確な見分け方は苞葉の切れ込みの有無です。

 

そして、これも今日の目的のひとつ。

トウゴクサバノオ(キンポウゲ科)

トウゴクサバノオ。

今年も小さな小さな、かわいらしい花を咲かせていました。

葉っぱが魚のサバの尾の形に似てるから…似てるか?

…いやあ、それにしても春っていいですね。

2024年3月30日山行

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は地域の人々に自然や森林の大切さを伝えています。

春がそこまで… 井原山・水無谷

井原山山頂

新しい山の靴を買ったので、履き慣らしもかねて、早春の井原山に出かけました。

軽めに水無谷から山頂を目指します。

 

樹木は、まだ冬の様相にも見えますが、林床にはキツネノカミソリの葉が生い茂り、間違いなく春になりつつあります。

ケヤキの森

お気に入りの「ケヤキの森」も緑のじゅうたんです。

一面にオオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)の葉

キツネノカミソリの葉っぱがこれだけあるということは、夏にはこれだけ花が咲くということですね

楽しみだけど、最近特に人出がおおいので、時季にはなかなか足が向きません。

 

きれいなキノコを見つけました。

ヘルメットのようなキノコ

ちょっと調べてみたけど、名前がわかりません。

ヘルメットのような形ですね。

 

沢沿いで春らしい、せわしないさえずりが聞こえてきました。

ミソサザイ

留鳥のミソサザイです。

日本の野鳥の中では、最小種になるそうです。

沢沿いの崖のようなところに巣があるようですが、しばらく観察していると、巣穴に入って、別の場所から姿を現します。

ミソサザイの巣は出入り口をふたつ作って、巣が天敵に襲われたときは反対側の出口から避難するそうです。

 

まだ寒くて動きが鈍いけど、カナヘビもひなたぼっこに出てきました。

カナヘビ

ニホントカゲに比べて、地味ですが、恐竜のように見えるので、子供たちには人気だそうです。

もちろん、「ヘビ」ではなく、トカゲの仲間ですね。

 

アブラチャン(クスノキ科)の花

草花を探して、下ばかり見ていると、頭の上に黄色い花が咲いているのを見落としそうでした。

シロモジかと思いましたが、残っている葉っぱをみると、アブラチャンのようです。

アブラチャン、シロモジ、クロモジ、ダンコウバイなどは、同じクスノキ科で、花の時季は葉っぱも出ていないので、見分けがつきにくいですね。

アブラチャンの枝にスカシダワラがついていました。

アブラチャンの枝にスカシダワラ(透かし俵)

クスサンという、ヤママユガの仲間のガの繭です。

もう中身がないので、秋に羽化したんでしょう。

 

沢沿いにはたくさんの花が咲き始めています。

ユリワサビ(アブラナ科)

地味ですが…

ヤマアイ(トウダイグサ科)の花

ヤマアイは、中国からアイ(藍)が入ってくるまえから、ヤマアイが染物に使われていたそうです。

 

 

コガネネコノメソウ(ユキノシタ科)

ホソバナコバイモとユリワサビ、コガネネコノメソウの競演

フキ(キク科)

ヤマエンゴサク(ケシ科)

なんと、ヤマエンゴサクも、まだ二株だけですが、花をつけていました。

早いなあ…

 

キバナノアマナ(ユリ科)

キバナノアマナも、もうそろそろ見ごろの時季ですね。

 

シロバナネコノメソウ、イワボタンはまだつぼみ、トウゴクサバノオ、ヒトリシズカはまだ姿が見えませんでした。

スミレの仲間たちもまだまだ…

これからが楽しみですね。

 

2024年3月20日山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は地域の人々に自然や森林の大切さを伝えています。

マンサクの花を訪ねて鬼ヶ鼻岩へ

 

朝起きたら、まばゆいばかりの青空!

3月になると、気になりますね、黄色い花。

ということで、鬼ヶ鼻へ出かけてきました。

鬼ヶ鼻岩から脊振山を望む

ちょっと寝坊したので、椎原の登山口から直登コースで鬼ヶ鼻へ向かいます。

鬼ヶ鼻岩直登コースの滝

直登コースは、距離が短いのですが、急登が続きます。

沢から尾根へ、まず最初の急登を登ると、鬼ヶ鼻直下の尾根にあがり、さらに尾根道も険しくなっていき、鬼ヶ鼻岩の岩壁が見えてきます。

鬼ヶ鼻岩の岩壁

エナガ

尾根道に上がる急登の途中で、小鳥たちの声が…

エナガでした。

 

今日は、素晴らしい晴天です。

鬼ヶ鼻岩の上からは福岡市内が一望です。

鬼ヶ鼻岩から福岡市内を望む

 

そして、鬼ヶ鼻岩と縦走路の分岐付近へ

マンサクの花は、もう咲いていました。

マンサク(マンサク科)

しかし、昔はもっとたくさん咲いていたような気がしますねえ。

早春に「まず咲く」ので、「まんず咲く」→「マンサク」だとか。

マンサクは、樹高が高いので、花を近くで見るのが難しいのですが、縦走路を西に、猟師ヶ岩山方面へ岩場を登って行くと、手が届くほど目の前に咲く場所があります。

…が、ここ数年は、あまり咲いていません。

今年も、この場所には咲いていませんでした。

錦糸たまごのような花

で、比較的近くに咲いていた花を高倍率ズームで。

錦糸たまごのような花びらです。

 

帰りは、椎原峠西から登山口へ戻ります。

このコースは、先日ケガをしたルートと同じ。

のちの反省を込めて現場検証を…

 

と、源流部の斜面に、ツクシショウジョウバカマの花が咲き始めていました。

ツクシショウジョウバカマ(メランチウム科)

そもそも、花の色が中国の妖怪「猩々(しょうじょう)」のように赤い、袴のついている花なので、ショウジョウバカマの名前になりましたが、ツクシショウジョウバカマの花は、白、薄紫、ピンクというイメージ。

まあ、花が終わる前のしばらくの間、猩々のような赤になりますので、この名前でいいのかな?

 

落葉樹の森は、見た目は冬枯れですが、暖かい陽のなかで春のにおいがします。

冬枯れの森も春のにおい

メタセコイアの森

ケガをした、メタセコイアの森をゆっくり歩いてみましたが、「事故現場」がどこだったのか?

わかりませんでした。

ま、いっか。

今後とも気を付けて歩きます。

とりあえず、我ながら全然懲りてない。

反省はしてますが(苦笑)

何はともあれ、久しぶりにタイトル通りの「脊振」でした。

 

2024年3月10日山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は地域の人々に自然や森林の大切さを伝えています。

叶岳から高祖山へ

まだまだ寒いので、早めの花を求めて、低山を歩いてきました。

福岡市西区の今宿野外活動センターから、叶岳、高地山、高祖山のミニ縦走コースです。

 

叶岳山頂の叶嶽神社

叶岳登山口からたくさんの鳥居が続きます。

まずは、叶岳を目指します。

叶岳は、山頂には、本地将軍地蔵を祭る「叶嶽神社」があり、登山道はたくさんの鳥居が並ぶ参道となっています。

 

登山道の周りにはヒノキの林が広がっています

 

春も近づいて、木々の花芽や冬芽が膨らみ始めていますね。

ホオノキ(モクレン科)の冬芽

タブノキ(クスノキ科)の花芽

 

山頂の神社の下に福岡市内方面に開けた展望所があります。

展望所から福岡平野を望む

少し南側に目を向けると早良平野が広がっています
正面は油山

いつもは、早良平野側から見上げている飯盛山の後頭部が見えています。

飯盛山の後頭部(奥は油山)

脊振山遠景(山頂付近は少し白くなっています)

叶岳から南東に脊振山をみると、昨日の雨が雪になったのか、山頂付近には白い色が見えます。

 

こちらは低山、縦走路では、シキミの花があちこちに咲き誇っていました。

シキミ(マツブサ科)の花

ヒサカキ(サカキ科)の花

ヒサカキの花の香…ガスのにおい…

 

叶岳から高地山への縦走路では、落葉樹、常緑樹、色々な樹木や、春から秋には、草花もたくさん。

途中にはベンチも置かれていて、展望所も点在しているので、景色を楽しみながら、ゆっくり山歩きができます。

 

高地山を過ぎると、ぐーっと高度を下げて、鞍部から縦走路を高祖山へ。

高祖山への縦走路

 

ヒノキやスギの林の中の縦走路を1時間ほど進むと、高祖山山頂です。

高祖山山頂下の森

山頂下の森は良い雰囲気。

高祖山山頂は山城址

山頂標付近には大きなスダジイ(ブナ科)に木があります

 高祖山山頂付近には、戦国時代には、糸島を支配していた原田氏の居城「高祖城」があったとのことで、平坦な広場になっています。

 すぐ北側には平安時代に築かれた怡土城があり、この遺構を利用して築城されたといわれていて、この山頂から、怡土城の望楼跡へも山道が続いています。

 山頂は照葉樹の森になっていますが、西と北には、博多湾や糸島平野の眺望が。 

高祖山から糸島平野と糸島富士(可也山)を望む

高祖山から博多湾を望む(能古島、志賀島)

 

高祖山山頂から、登山口の今宿野外活動センターへ、鉢伏山観音経由で下ります。

 

下山路で大きなスダジイの木に出会いました。

立派!

スダジイ(ブナ科)の大木

 

これは、想定内かな?

沢沿いにサツマイナモリの花が咲いていました。

サツマイナモリ(アカネ科)の花

エナガ

野外活動センターへ下りる森の中で、エナガやヤマガラが飛び回っていて、今回は、エナガちゃんが姿を見せてくれました。

 

今日はちょっと気温が低めで、北風も強かったですが、風が当たらない、日の当たる場所では春の雰囲気です。

これから、3月頃までは、海辺の低山をそぞろ歩くのもいいですね。

 

2024年2月24日山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は地域の人々に自然や森林の大切さを伝えています。

春待ちの井原山へ

ここ数日、3月から4月初旬あたりの天候が続いていたので、井原山に出かけてみました。

ケガが落ち着いて、3週間ぶりの山です。

井原山山頂から福岡市内を望む

足慣らしがてら、お気楽コース・水無谷から山頂を目指します。

とはいえ、なめてはいけません。

台風で流された橋もきれいにつくり直されています

沢にかけられたいくつかの橋は、昨年台風で流されたり、壊れたりしていましたが、きれいにつくり直されていました。

多分、伊都遊歩道クラブの皆さんのお仕事だと思います。

いつもありがとうございます。

 

水無谷の美しい沢
オオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)もたくさん葉っぱが出てきています。

登山口付近から、キツネノカミソリの葉っぱがあちこちで、茂り始めています。

 

沢沿いの木の枝にこんなものが…

スカシダワラ(透かし俵)

「スカシダワラ(透かし俵)」と呼ばれているものです。

これは「クスサン」というヤママユガの仲間の蛹の繭です。

普通は、秋のうちに羽化するそうですが、まだ、中に蛹の姿が見えます。

多分、羽化しきれずに、死んでしまったんでしょう。

クスサンは、かなり大きめのガで、幼虫はさわるとヤバそうな、長い毛におおわれた毛虫ですが、全く無毒だそうです。

成虫は、口が退化して(正確には「退化」とは言わないそうですが)羽化した後は何も食べずに交尾、産卵で一生を終わるそうです。

なんか切ないですね。

 

ケヤキの森は、冬でも気持ちのいい森です。

ケヤキの森

ヤマガラ

ケヤキの森では、ヤマガラやコゲラ、エナガがちょこちょこと飛び回っていました。

 

まだ2月なのに、気の早いホソバナコバイモが咲き始めていました。

ホソバナコバイモ(ユリ科)

下向きの花は清楚な感じがしますね。

 

急登を登って、稜線に出ると、本当に気持ちのいい晴天です。

井原山山頂から脊振山・金山を望む

コバノミツバツツジ(ツツジ科)の冬芽

ミツバツツジの冬芽も膨らみ始めています。

 

まだ2月だし、この後また、少し冷え込むようですが、山の生き物たちは春の準備を進めています。

春が待ち遠しいですね。

 

2024年2月18日山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は地域の人々に自然や森林の大切さを伝えています。

雪の脊振山地(車谷から椎原峠へ)

雪の椎原峠

当日の天気予報は、早朝の雨から、昼過ぎには晴れ。

回復傾向の山では、思わぬ美しい景色に出会うことがあります。

ということで、迷わず出発。

登山口に着く前には晴れ間も出てきて、なんかいい感じです。

 

が、予報に反して、歩き始めてすぐに雨。

そして、上の林道を過ぎるころには、雪になって止み間もなく、最後まで降り続いていました。

今回は、ひたすら雪景色をどうぞ。

 

ケヤキの森付近から雪、雪

上の林道では、まだ、みぞれ状で、枝の雨だれはコダマのようです。

車谷の沢

雪の中にオオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)の芽

昨年の大雨と台風で、壊滅的な被害を受けたキツネノカミソリの自生地も、早くも今年は復活してくれそうです。

 

沢の源流部で雪が降り続きます

カヤ(イチイ科)の葉っぱに雪

気象台道路

雪の縦走路

コバノミツバツツジの枝にも

どこもかしこも雪景色

この後、ちょっとした事故になってしまいました。

雪が全くやまないし、雪をよける場所もないので、急いで下山して、登山口の車の中で食事をしようと思い、下山を急いでいたら、メタセコイアの森の中の何でもない山道で、足を滑らせ、踏ん張ろうとした足に木の根が引っ掛かり、両足を抑えられた状態で、転倒してしまいました。

手をついたんですが、下り道で、目の前には小さなスギの切り株が迫ってきます。

目を閉じる前に顔から切り株にぶつかり、目と顔をケガ。

しばらく片目を開けられない状態で、顔からも出血で、失明も覚悟しました。

とりあえず、近くにあった雪を集めて顔を冷やし、目薬で左目を洗い流し、傷口付近をアルコールで消毒、出血が落ち着いてきたので、片目で慎重に下山、車にたどり着いて、さらに傷口をマキロンで洗い流し、傷あてパッドを貼って応急処置をしました。

その後、急患センターで処置をしてもらい、翌日眼科と形成外科へ。

顔(左目の下)は、かなり深い傷でしたが、はがれた皮膚が残っていたので、もとに戻せば何とかなりそうです。

目は、視力は大丈夫でしたが、眼球表面の結膜が破れているとのことで、縫合してもらいました。

直後には、失明を覚悟しましたが、運がよかったように思います。

今回の問題点は、それほど急ぐ必要もないのに、調子に乗って小走りに下山したことに尽きます。

つまり、慢心と油断ですね。

この日は、他に登山者もなく、低温下で、もし、足をケガして動けなかったり、頭を打って意識を失っていたら、間違いなく命にかかわっていたことかと思います。

まずは、運よく、命があって、目も見えることに感謝しつつ、他に方に迷惑をかけることもなかったことは、不幸中の幸いでした。

 

毎回、頭では理解しているのですが、命にかかわるような事故は、必ずしも危険な岩場や、山深い森の中だけではなく、何でもないハイキング道での、ちょっとした不注意や、不運でも起こるということを改めて思い知ることになりました。

 

もう25年近く、この脊振山地を歩きまわっていて、ヒヤッとすること、ちょっとしたケガもありましたが、今回はかなり深刻に感じました。

 

皆様も悪い例として、参考にしていただければと思います。

あと、ファーストエイドキット(救急箱)は必携です。

ちなみに、私の救急箱の中には、バンドエイドの各サイズ、大きめの傷保護パッド、テープ、マキロン、ポイズンリムーバー、ステロイド軟こう、正露丸、バファリン、テーピングテープ、ハサミなどが入っています。

それから、飲料はお茶などだけでなく、水も最低1本あると、傷の洗浄などに使えます。

ひたすら反省の山行でした。

 

2024年1月28日山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は地域の人々に自然や森林の大切さを伝えています。