しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

難所ヶ滝・河原谷(ごうらだに)の大つらら

ここ数日は寒波の影響で山では雪が降り続いているようです。

脊振山系だと登山口まで車で行けるかどうか。

あ、こんなに冷え込んでるなら、久しぶりに三郡山麓の難所ヶ滝(最近は川原谷の大つららと呼ぶらしい)を見に行こう!

ということで、もう15年以上ぶりに出かけてきました。

三郡山山頂のレーダー基地

登山口は宇美町の昭和の森から

確か無料駐車場のはず…と思っていましたが、キャンプブームのせいか、昭和の森の入口に駐車場のゲートが設置されていて、3時間無料、6時間まで500円の有料駐車場になっています。

まあ、安いから気にはなりません。

登山道の雪

登山口付近から雪がうっすらと積もっています。

そして、高度が上がって難所ヶ滝が近づいてくると、足元は凍結していてアイゼンが必要になってきます。

 

急登を登って行くと目の前に大きな氷瀑が見えてきます。

難所ヶ滝・河原谷の大つらら

昔は、滝が凍ったと考えられていたようですが、流れる水が凍ることはなく、滝とは別の場所の岩壁を伝わる水が凍ってつららになり、そのまわりを伝わった水がまた凍って…これを繰り返しながら、つららが大きく成長していき、こんな立派な氷瀑になります。

まあ、だから厳密には「氷瀑」とは言わず「氷柱(つらら)」が正しいんでしょうね。

だから、最近は「河原谷の大つらら」と呼ぶようです。

ちなみに、この大つららの下の小さな滝を「難所ヶ滝」と呼ぶようです。

 

大つららを堪能した後は、縦走路に上がって三郡山を目指しました。

縦走路の分岐

縦走路も雪景色

この縦走路は宝満山から三郡山に向かう稜線ですが、モミの木の林、ブナ林、シデ林に囲まれたとても素晴らしい縦走路です。

 

三郡山頂下付近で「ぎぃー、ぎぃー」とけたたましい声が…

カケス

声だけはおなじみのカケスです。

冬は樹木の葉っぱがないので、姿がよく見えました。

いつもは声だけで、なかなか姿を見せてくれないんですが…

頭の色からするとミヤマカケスかもしれません。

 

三郡山頂は冷たい強風で、寒いし景色もあまりよくないし…

三郡山山頂から筑紫平野方面を…ほんとんどなんにも見えません

山頂はとっとと退散して、少し戻った風のあまりないところで食事をとって、縦走路を戻ります。

そのままピストンで同じ道を戻ろうかとも思いましたが、つらら見物の人出も多かったので、途中の頭巾山(とっきんさん)から、尾根道を下ることにしました。

宝満、三郡山の山域はたくさんの登山道があるので、何かと便利です。

頭巾山山頂

頭巾山から急降下の尾根道へ

頭巾山先の道は雪に包まれて、なんだかいい雰囲気です。

この後は、つるっつるの道を急降下していきました。

なかなかの急斜面で、苦労しましたが、無事昭和の森キャンプ場へ下山。

今日は、冬景色三昧でしたが、毎年言っていますように個人的には雪山はあまり好きではないので、今シーズンは、雪はもういいかな…

 

2025年1月13日山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は自然や森林の大切さを伝える活動をしています。

初詣・・・脊振山

皆様、あけましておめでとうございます。

2025年の正月、久しぶりに脊振山山頂へ。

弁財天に新年のごあいさつを・・・「今年はお金がたまりますように」(笑)

脊振山頂・脊振神社上宮の祠
後ろの航空自衛隊のレーダードームが初日の出のよう・・・?

 

新年最初の山歩きは、椎原登山口から車谷を登って脊振山頂へ

ハナミョウガ(ショウガ科)の実

ハダカホオズキ(ナス科)かな?

この時季花はありませんが、スギ林や林道わきに赤い実が。

ナス科のヒヨドリジョウゴかマルバノホロシか…?

いや、いや、ツルではないないし?ハダカホオズキの赤い実でしょうか?

 

冬の沢の水は一段と澄んで見えます。

冬の沢は水が澄んでいます

ケヤキの森の中に炭焼き窯

脊振山地の山中には、あちらこちらに炭焼き窯のあとの石積みがみられます。

 

高度が上がって稜線近くになると雪がちらほら

年末から山沿いは雪でしたからねえ。

登山道に残った雪

矢筈峠で気象台道路に出ると、脊振山頂下までアスファルト舗装された車道が続きますので、これを嫌がる人も多いのですが、道路の周辺にはブナ、ミズナラ、アカガシ等の森が広がって、とてもいい雰囲気です。

ブナの森

ミズナラの森

アカガシの森

脊振山頂下に木道が敷設されているのですが、ここ数年の台風や大雨であちこち壊れています。

途中が崩落した木道

キャンプ場上のスギの木にツルアジサイが絡みついていました。

ツルアジサイ(アジサイ科)

アジサイ科の花はドライフラワーになります。

 

キャンプ場の隅に竜神池があります。

竜神池

昨年の3月にのぞいた時には水が干上がっていましたが、少し水が戻っています。

この池は確か水源不明だったような?違ったかな?

まあ、水が戻ってきて何よりです。

 

キャンプ場で鳥の群れがわちゃわちゃと・・・

ハギマシコ…多分

はじめは、ミヤマホオジロ?いやアトリ?と

よく見ると少し違う。

後で調べたら、ハギマシコのようですね。

腹と羽根の一部が少しピンクに見えます。

冬鳥ですが、西日本で見られることは少ないようで、福岡県のレッドデータブックにも載っています。

 

山頂から矢作峠にもどり、縦走路を椎原峠方面へ

縦走路の残雪

縦走路にも少し雪が残っています。

唐人の舞下の縦走路から福岡市内を望む

メタセコイアの森では、葉が全部落ちて、沢にも葉っぱがたくさん積もっています。

 

メタセコイアの森の沢

 

ということで、今年はケガすることもなく、無事に下山しましたが、今回は真冬でもあり、色味が少ないので、昨年末に井原山で出会った、きれいな色を。

 

まずは、ユズリハの冬芽。

ユズリハ(ユズリハ科)の冬芽

鮮やかな赤色ですね。

 

次は黄色のシマカンギク

シマカンギク(キク科)

 

では、皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

2025年1月3日山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は自然や森林の大切さを伝える活動をしています。

井原山・秋の花(&ちょっと生き物)

 

ガスに包まれる井原山山頂

いやあ、あいてしまいました、前の記事から2ヶ月以上

いそがしいです。ほんと。

9~11月は森林インストラクターにとってはシーズン(最盛期)です。

毎週、平日、土日とイベントが多いですね。(まあ、本業もありますので)

脊振にもなかなか出かけられませんので、ネタが…

10月のはじめに立て続けに井原山に出かけて、初秋の花を見てきましたので、やっと、ここで紹介します。

 

まずは、国道や林道脇でもよく見かけるツリフネソウから

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

これね、観察会なんかで紹介するとみなさん「初めて見た」とおっしゃるんですが、例えば三瀬峠とか、国道や県道のような大きな道路の峠道の脇にたくさん咲いています。

まあ、わざわざ車を下りて見る人はいないでしょうから、「初めて…」になるのでしょうが。

その名の通り、上からつり下がっていて、花の上に萼片があります。

変な形ですよね。

花を分解してみると、萼片3枚、花弁3枚になっています。

もし、どこかの山で出会ったら、試してみてください。

花弁をちぎらなくても、指で少し押してみるとすぐにわかります。

キツリフネ(ツリフネソウ科)

キツリフネは、ツリフネソウの黄色バージョンですね。

色合い的には、こちらの方が上品で好きです。(って、毎年言ってます)

 

これはもう、この時季どこにでも…

イヌトウバナ(シソ科)

脊振でトウバナの仲間は、ヤマトウバナなんかもいますが、花の時期と色が違いますね。

 

秋のお彼岸と言えば「おはぎ」です。

ハギ(マメ科)…ツクシハギ?ヤマハギ?

春の彼岸には「ぼた餅」…牡丹の花が咲く頃なので…

秋はハギの花が咲くので「おはぎ」、おなじあんこ餅なのに

…まあ、今更有名な話ですが。

これは、細かく見ていませんがツクシハギかな?ヤマハギにしては花色が薄いような。

 

同じマメ科の花が鈴なりです。

ノササゲ(マメ科)

なんか、かわいらしいですよね。

 

タデも時季ですね。

シロバナサクラタデ(タデ科)

 

他のタデの仲間に比べると、花が大ぶりで豪華な感じがします。(ちょっとだけ)

ちなみに、ピリッと辛みのあるタデは「ヤナギタデ」だけで、他のタデは食べても辛みはありません。

だから、正確には「ヤナギタデ食う虫も好きずき」

 

秋はシソ科の花も多いですね。

アキチョウジ(シソ科)

アキチョウジは、同じシソ科のヤマハッカに近い種です。

花自体の見た目はかなり違いますが…

 

沢沿いには、オタカラコウがたくさん。

オタカラコウ(キク科)

井原山では、アンノ滝の下の斜面に群生しています。

大きな目立つ花です。

 

ちょっと、色が飛んでしまいましたが

ハグロソウ(キツネノマゴ科)

これも秋の沢沿いに見られるハグロソウ。

紫色の花なんですが・・・

ハグロつながりで

ハグロトンボ

沢沿いでハグロトンボがたくさん飛んでいました。

ひらひらと、優雅というより、ちょっと頼りない感じ

 

今回の一番のお目当てはこちらでした。

アケボノシュスラン(ラン科)

アケボノシュスラン。

金山にも咲いているんですが、井原山のものは数も多いし、色がきれいです。

本当に小さなランの花。

 

このころにはもうレイジンソウも咲き始めていました。

レイジンソウ(キンポウゲ科)

このあと、もう少しするとタンナトリカブトも咲き始めるんですが、今年はとうとう見に行けませんでした。

 

山頂下では

ツルリンドウ(リンドウ科)

ツルリンドウが咲いていました。

10年くらい前まではもっとたくさん見られたのに…

秋の井原山山頂付近では、コオニユリ、カワラナデシコ、ホソバノヤマハハコ、センブリ・・・ほんの10年位前まではたくさん咲いていたのに、すっかり数が減ってしまったように思います。

 

林道の真ん中に上から山芋(ヤマノイモ)のつるがぶら下がってきていました。

ヤマノイモ(ヤマノイモ科)の種とムカゴ

子供の頃は、3枚羽根の種(翼)をペロッとなめて、鼻の頭につけて遊んでましたね。

なにが楽しかったんだろう?

いまは、それよりムカゴです。

塩炒りしてビールのつまみ、いやムカゴご飯?

 

ぶら下がってたと言えば

トビネオオエダシャクの幼虫

林道の真ん中につーっと、エダシャクの幼虫が…

尺取り虫にしては派手な色は、トビネオオエダシャクの幼虫のようです。

 

ずいぶん間が空いてしまいましたが、また少しずつ記事をあげていきますので、皆様どうぞ見捨てないでください…

 

2024年10月初旬山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は自然や森林の大切さを伝える活動をしています。

車谷のオオキツネノカミソリ…今年も元気です

オオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)


昨年の大雨の影響で、車谷の沢もずいぶん荒れて、昨年の今頃はキツネノカミソリの群落も見る影もない状態でしたが…

今年は、春からたくさんの葉を出していたので、期待をしながら車谷へ出かけました。

今回は、ふくおか森林インストラクター会主催の観察会として、一般参加の皆さんとのんびり歩いてきました。

前週に下見をしたので、その時の画像も含めご紹介します。

 

まずは、林道をしばらく歩きながら、植物観察です。

マツカゼソウ(ミカン科)

もうマツカゼソウの花も終わりかけていますね。

葉っぱを少しちぎると、柑橘系の香りがします。

鹿は嫌って食べない草花だそうです。

何でだろう?香り?ミカンの新芽は食べるらしいけど…

 

スギ林の中にはヤブミョウガ

ヤブミョウガ(ツユクサ科)

これは、「ミョウガ」の名がついていますが、ツユクサ科です。

葉っぱがミョウガに似てるだけ。

同じくスギ林に生えるハナミョウガは、ショウガ科でミョウガの仲間ですね。

 

登山口近くのスギ林

登山口から少し登ったスギ林は、林床に下草や低木も生えて、良い雰囲気です。

足下にはヌスビトハギも花を付けています。

ヌスビトハギ(マメ科)

ヌスビトハギって…由来は諸説ありますが、ひどいネーミングです(苦笑)

 

イロハカエデ(ムクロジ科)が少し紅葉しています

 

登山口からしばらくは、ミンミンゼミの声が響き渡っています。

ミンミンゼミ…少し弱っています

 

さてさて、上の林道を過ぎて少し登るとオオキツネノカミソリの登場です!

オオキツネノカミソリの群落

やはり、今年もたくさんの花を咲かせてくれています。

井原山の水無渓谷よりはやや少ないですが、なかなか壮観です。

それに、人が少ないのが良い!

キツネノカミソリは、ヒガンバナの仲間で、春ごろたくさんの葉っぱを出し、5月末には一旦全部枯れます。

そして、夏に花だけを咲かせます。

 

晴天で稜線は日差しもきついので、沢の上流で涼しく食事休憩をして、稜線へ出ます。

稜線でも色々な花が咲いています。

キンミズヒキ(バラ科)

ノリウツギ(アジサイ科)

ノリウツギの真っ白い花は、夏の青空によく映えています。

 

ゴマギ(ガマズミ科)の実

ゴマギの葉っぱをちぎると、香ばしいごまの香り。

 

コオニユリ(ユリ科)

いつも、どっちだったか忘れてしますけど、葉の付け根にムカゴがつかないのが「コオニユリ」ムカゴがついているのは「オニユリ」です。

 

コバギボウシ(キジカクシ科)

今年は、コバギボウシの花が少なめでした。

まだこれからかな?

 

生き物たちも元気です。

ジムグリ

よく見ると、きれいな色をしているヘビ、ジムグリです。

その餌?(笑)いやいや、それはかわいそう?

多分タゴガエルです。かわいいですね。

タゴガエル

トンボも色々

オオシオカラトンボ♀

シオカラトンボ♀…多分

シオカラトンボのメスらしきトンボ。

食事中でした。

よく見るとセセリチョウ(チャバネセセリかな?)をおいしくいただいている最中です。

 

ヒメアカネ♂

ヒメアカネは、小さくてかわいいトンボです。

 

 

こっちは、「トンボ」の名前はついていますが、カワゲラなどの仲間ですね。

ヘビトンボ

ヘビに翅がついているように見えるので、ヘビトンボだそうです。

まあ、わからんでもないか。

 

これは、稜線でよく見かけるちょうちょですね。

ヤマキマダラヒカゲ

 

あと、秘密の水源で

ブチサンショウウオ

ということで、沢沿いは少しは涼しいものの、やっぱり暑い中の山歩き。

総勢6名で、わちゃわちゃと歩き回りました。

楽しい観察会でした。

秋に他のルートでやる予定なので、つぎはここでもご案内します。

興味のある方は是非!

 

2024年8月3日、8月11日山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は自然や森林の大切さを伝える活動をしています。 (fukuoka-forest-instructor.com)

涼を求めて…でも、暑かった

久しぶりに天候も良く、立て続けに休日をつぶされた雑用からも解放されたので、久しぶりに金山・滝川谷を歩いてきました。

水量の多い沢沿いの登山道はさぞかし涼しいかと思いきや…やっぱり暑かった(苦笑)

まあ、見るだけの方が涼しいかも、ということで、滝や沢の画像をどうぞ

滝川谷の大滝

梅雨明け直後の沢は水量が多い

もう、この時期は山歩きより沢歩きの方がいいかも。

 

登山口からしばらく歩いた杉林の中に、大きめのカツラの木があります。

カツラ(カツラ科)の大木

カツラの葉

 秋になると漂う、甘いキャラメルのような香りが楽しみです。

 

 もうほとんど終わっていましたが、ハンカイソウの花が少し残っていました。

ハンカイソウ(キク科)

沢沿いにできたギャップには、良く日が当たり、テリハアカショウマの花が咲いていました。

テリハアカショウマ(ユキノシタ科)

ヤブコウジ(サクラソウ科)

ヤブコウジは、秋の赤い実が目立ちますが、下向きに控えめに咲く花も良いですね。

 

夏は生き物たちが元気です。

ミヤマカワトンボ(左♂・右♀)

アサギマダラ

何千キロも「渡り」をするアサギマダラ。

ひらひらと優雅に飛ぶ姿は、とてもそんな過酷な「渡り」をやってきたとは思えません。

 

山頂では、キアゲハ、ツマグロヒョウモン、モンキアゲハが三つ巴で縄張り争いをしていました。

キアゲハ

ツマグロヒョウモン

キアゲハは後翅の尾が、ツマグロヒョウモンも後翅が少し欠けています。

これは、戦いの結果ですね。

キアゲハは、ツバメ相手にでもスクランブルを掛け、縄張りを守ろうとします。

 

ヒグラシ

この時季、山の上では昼過ぎ頃からヒグラシが鳴き始めます。

蝉の仲間は、土の中で何年も幼虫の状態で過ごすと言われていますが、具体的な生態はまだ解明されていないようです。

昆虫って、幼虫の時期にたくさん食べて体を大きくして、成虫になるとそれ以上体は大きくならず、ただひたすら子孫を残すために活動をするんですね。

セミはたった数週間…恋の季節。

 

ヘビも色々と活発に活動してます。

ヤマカガシ

ヤマカガシは、毒ヘビですがマムシと違って比較的臆病で向こうから逃げていってくれます。

口の奥の方に毒の牙があり、かなり深くかまれないかぎり大丈夫だともいわれますが、まあ、あまり近寄らない方がいいでしょうね。

今日のシメは、ヤマカガシというのも何ですが…(苦笑)

今日はこれまで!

 

2024年7月20日山行(アップが遅くなってしまった)

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は自然や森林の大切さを伝える活動をしています。 (fukuoka-forest-instructor.com)

 

 

四王寺県民の森 ワンヘルスガイドの日

久しぶりに、四王寺県民の森で通常のワンヘルスガイドのお仕事でした。

が、朝から雨が降ったりやんだり、ガスに包まれたり…

お客さんも少なくて、フィールドのガイドはありませんでしたが、暇な時間に少し散策してみました。

四王寺県民の森 漏刻の池

ガイドコースの入口にある漏刻の池は、ガスに包まれてなんだかいい雰囲気ですね。

 

少し進んで、遊具が設置された「子供の国」もかすんでいます。

子どもの国のトチノキ(ムクロジ科)

ここには、九州での自生はほとんど見られないトチノキがあります。

もちろん植樹されたものですが。

掌状複葉と呼ばれる5~7枚で1組の大きな葉っぱが独特です。

以前に東京の中央・総武線水道橋と御茶ノ水駅の間にトチノキの並木道があったと思います。

福岡だと天神西通りに、この仲間のベニバナトチノキが街路樹として植えられています。

マロニエも、この仲間です。(交配種ですが)

 

県民の森北側の鮎帰の滝です。

鮎帰の滝

さすがに今日は水量多めです。

 

雨の中、生き物たちは元気です。

ヤマガラ

照葉樹林でキビタキの声が響いていたので、姿を探していましたが、出てきてくれたのはヤマガラでした。

 

ホシハネビロアトキリゴミムシ

ツツジの葉っぱに小さな虫が。

ハムシかと思ったら、ゴミムシの仲間だそうです。

 

ツマグロヒョウモン♀

ネジバナ(ラン科)

今の時季、芝の生える草原にはネジバナがよく咲いています。

らせん状の小さなピンクの花は、よく見るとランの花の特徴をしっかり見せてくれます。

このピンクが緑色に合うんですよね。

 

ここのところ、土日は悪天やら所用でなかなか脊振に出かけられません。

金山のツチアケビの花も気になるんですけどねえ…

来週は、いけるかな?

 

2024年6月29日散策

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は自然や森林の大切さを伝える活動をしています。 (fukuoka-forest-instructor.com)

初夏のくじゅうへ

登山者の少なそうな6月平日を狙って、くじゅう・坊がつるでのんびりしようと、出かけましたが…

北大船山から三俣山方面を望む

冒頭の写真の通り、まだミヤマキリシマの花がかなり残っていて、花見の登山客も大勢。

まあ、大渋滞ではなかったので良かったし、北大船山と平治岳には結構咲いていて、思いのほか、素晴らしい景色に出会えました。

 

最近の運動不足で、長者原や牧ノ戸から坊がつるに入るのは、つらそうだったので、今回も最短の吉部からのコースです。

このコースは、登山口からしばらく進むと、すぐに急登があり、これを登り切ると、あとはほとんど平坦な道で、本当に楽なコースです。

吉部ルート唯一の急登

 

急登のあとは、しばらくスギ林の中を行く

急登を登り切ったあと、少しスギの林が続きますが、ここもなかなかいい雰囲気です。

 

登山道脇の斜面には、ニシノヤマタイミンガサの群落が見られます。

ニシノヤマタイミンガサ(キク科)

この植物の花はとても地味ですが、新芽が出たときは、小さな開きかけの傘がたくさん並んでいるようで、なかなかかわいらしい風景になります。

これによく似たヤブレガサも九州に分布する…となっていますが、九州の山で見られるのは,ほとんどがこのニシノヤマタイミンガサのような気がします。

福岡県では、2011年のRDBで絶滅危惧Ⅱに指定されています。

 

スギ林を抜けると、ミズナラの林になりますが、途中大きなイイギリやカツラの大木に出会います。

カツラ(カツラ科)の大木
秋には甘い匂いがします。

ミズナラ林の道

登山口から1時間あまりで、広々とした坊がつるの盆地の北の端に出ます。

坊がつるへ

坊がつるのテント場

この日は、夕方から雨の予報だったので、手早くテントを張って、法華院の山小屋へビールの買い出しに出かけ、テントに帰ってきたら雨が降り始めました。

テントの中で火が使えないので、炊事場の屋根の下で他の登山者の方とビールや焼酎を飲みながら、山の話なんかしながら、食事です。

これは、これで楽しい。

風がないのが幸いですが、星空が見込めないので、早めに寝ます。

 

雨の音やらで、何度も目が覚めますが、4時頃真っ暗な中ホトトギスが鳴き始め、目が覚めます。

雨は上がっていますが、大船山の稜線もまだ雲に覆われています。

せっかくなので、ご来光は無理でも、人の少ない時間に花見をしようと、大船山麓の暗い森の中に入っていきます。

ダンバル下から中岳方面

途中で夜が明け段原が近づいてくると、ちらほらとミヤマキリシマのピンクが現れ始めます。

 

段原から見ると、大船山より北大船山の方が花がびっしりなので、今日は大船山の最後の上りをサボって、北大船山を目指します。

さてさて、北大船山周辺のミヤマキリシマをお楽しみください。

段原から大船山方面の斜面

奥には平治岳のミヤマキリシマも見えています。

 

 

少し雨が降ったり、ガスで景色が隠れたりで、しばらく北大船山をうろうろして、坊がつるに下りてくると、すっかり晴天に…

坊がつるから白口岳、中岳方面を望む

坊がつるから北大船、大船山

今日のところは、このくらいにしておいてやろう!

ということで、朝食をとってそそくさと、テントを撤収。

下山にかかります。

 

ミヤマキリシマ以外の花や生き物たちをどうぞ

ベニドウダン(ツツジ科)の花

鳴子川のほとりにアサガラ(エゴノキ科)の花

 

オカオグルマ(キク科)

フタリシズカ(センリョウ科)

ニホンカワトンボ…かな?

 

ルリタテハ

 

ホオアカ
坊がつるの草原でたくさんのホオジロがさえずって…と思って、よく見ると
…ホオジロの仲間のホオアカでした

オオルリ

登山口まで下りてくると、道路脇の森の中でオオルリの美しいさえずりが聞こえるので、しばらく探していると、目の前に出てきてくれました。

緑の中で撮影すると、あのきれいな深い瑠璃色が画像には出ないんですよねぇ…

 

今回は、天候がいまいちで、星空は見えませんでしたが、それでも花は見事で、楽しいテント泊山行となりました。

また、梅雨が明けたら行こうっと!

 

2024年6月6日、7日山行