しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

車谷のオオキツネノカミソリ…今年も元気です

オオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)


昨年の大雨の影響で、車谷の沢もずいぶん荒れて、昨年の今頃はキツネノカミソリの群落も見る影もない状態でしたが…

今年は、春からたくさんの葉を出していたので、期待をしながら車谷へ出かけました。

今回は、ふくおか森林インストラクター会主催の観察会として、一般参加の皆さんとのんびり歩いてきました。

前週に下見をしたので、その時の画像も含めご紹介します。

 

まずは、林道をしばらく歩きながら、植物観察です。

マツカゼソウ(ミカン科)

もうマツカゼソウの花も終わりかけていますね。

葉っぱを少しちぎると、柑橘系の香りがします。

鹿は嫌って食べない草花だそうです。

何でだろう?香り?ミカンの新芽は食べるらしいけど…

 

スギ林の中にはヤブミョウガ

ヤブミョウガ(ツユクサ科)

これは、「ミョウガ」の名がついていますが、ツユクサ科です。

葉っぱがミョウガに似てるだけ。

同じくスギ林に生えるハナミョウガは、ショウガ科でミョウガの仲間ですね。

 

登山口近くのスギ林

登山口から少し登ったスギ林は、林床に下草や低木も生えて、良い雰囲気です。

足下にはヌスビトハギも花を付けています。

ヌスビトハギ(マメ科)

ヌスビトハギって…由来は諸説ありますが、ひどいネーミングです(苦笑)

 

イロハカエデ(ムクロジ科)が少し紅葉しています

 

登山口からしばらくは、ミンミンゼミの声が響き渡っています。

ミンミンゼミ…少し弱っています

 

さてさて、上の林道を過ぎて少し登るとオオキツネノカミソリの登場です!

オオキツネノカミソリの群落

やはり、今年もたくさんの花を咲かせてくれています。

井原山の水無渓谷よりはやや少ないですが、なかなか壮観です。

それに、人が少ないのが良い!

キツネノカミソリは、ヒガンバナの仲間で、春ごろたくさんの葉っぱを出し、5月末には一旦全部枯れます。

そして、夏に花だけを咲かせます。

 

晴天で稜線は日差しもきついので、沢の上流で涼しく食事休憩をして、稜線へ出ます。

稜線でも色々な花が咲いています。

キンミズヒキ(バラ科)

ノリウツギ(アジサイ科)

ノリウツギの真っ白い花は、夏の青空によく映えています。

 

ゴマギ(ガマズミ科)の実

ゴマギの葉っぱをちぎると、香ばしいごまの香り。

 

コオニユリ(ユリ科)

いつも、どっちだったか忘れてしますけど、葉の付け根にムカゴがつかないのが「コオニユリ」ムカゴがついているのは「オニユリ」です。

 

コバギボウシ(キジカクシ科)

今年は、コバギボウシの花が少なめでした。

まだこれからかな?

 

生き物たちも元気です。

ジムグリ

よく見ると、きれいな色をしているヘビ、ジムグリです。

その餌?(笑)いやいや、それはかわいそう?

多分タゴガエルです。かわいいですね。

タゴガエル

トンボも色々

オオシオカラトンボ♀

シオカラトンボ♀…多分

シオカラトンボのメスらしきトンボ。

食事中でした。

よく見るとセセリチョウ(チャバネセセリかな?)をおいしくいただいている最中です。

 

ヒメアカネ♂

ヒメアカネは、小さくてかわいいトンボです。

 

 

こっちは、「トンボ」の名前はついていますが、カワゲラなどの仲間ですね。

ヘビトンボ

ヘビに翅がついているように見えるので、ヘビトンボだそうです。

まあ、わからんでもないか。

 

これは、稜線でよく見かけるちょうちょですね。

ヤマキマダラヒカゲ

 

あと、秘密の水源で

ブチサンショウウオ

ということで、沢沿いは少しは涼しいものの、やっぱり暑い中の山歩き。

総勢6名で、わちゃわちゃと歩き回りました。

楽しい観察会でした。

秋に他のルートでやる予定なので、つぎはここでもご案内します。

興味のある方は是非!

 

2024年8月3日、8月11日山行

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は自然や森林の大切さを伝える活動をしています。 (fukuoka-forest-instructor.com)

涼を求めて…でも、暑かった

久しぶりに天候も良く、立て続けに休日をつぶされた雑用からも解放されたので、久しぶりに金山・滝川谷を歩いてきました。

水量の多い沢沿いの登山道はさぞかし涼しいかと思いきや…やっぱり暑かった(苦笑)

まあ、見るだけの方が涼しいかも、ということで、滝や沢の画像をどうぞ

滝川谷の大滝

梅雨明け直後の沢は水量が多い

もう、この時期は山歩きより沢歩きの方がいいかも。

 

登山口からしばらく歩いた杉林の中に、大きめのカツラの木があります。

カツラ(カツラ科)の大木

カツラの葉

 秋になると漂う、甘いキャラメルのような香りが楽しみです。

 

 もうほとんど終わっていましたが、ハンカイソウの花が少し残っていました。

ハンカイソウ(キク科)

沢沿いにできたギャップには、良く日が当たり、テリハアカショウマの花が咲いていました。

テリハアカショウマ(ユキノシタ科)

ヤブコウジ(サクラソウ科)

ヤブコウジは、秋の赤い実が目立ちますが、下向きに控えめに咲く花も良いですね。

 

夏は生き物たちが元気です。

ミヤマカワトンボ(左♂・右♀)

アサギマダラ

何千キロも「渡り」をするアサギマダラ。

ひらひらと優雅に飛ぶ姿は、とてもそんな過酷な「渡り」をやってきたとは思えません。

 

山頂では、キアゲハ、ツマグロヒョウモン、モンキアゲハが三つ巴で縄張り争いをしていました。

キアゲハ

ツマグロヒョウモン

キアゲハは後翅の尾が、ツマグロヒョウモンも後翅が少し欠けています。

これは、戦いの結果ですね。

キアゲハは、ツバメ相手にでもスクランブルを掛け、縄張りを守ろうとします。

 

ヒグラシ

この時季、山の上では昼過ぎ頃からヒグラシが鳴き始めます。

蝉の仲間は、土の中で何年も幼虫の状態で過ごすと言われていますが、具体的な生態はまだ解明されていないようです。

昆虫って、幼虫の時期にたくさん食べて体を大きくして、成虫になるとそれ以上体は大きくならず、ただひたすら子孫を残すために活動をするんですね。

セミはたった数週間…恋の季節。

 

ヘビも色々と活発に活動してます。

ヤマカガシ

ヤマカガシは、毒ヘビですがマムシと違って比較的臆病で向こうから逃げていってくれます。

口の奥の方に毒の牙があり、かなり深くかまれないかぎり大丈夫だともいわれますが、まあ、あまり近寄らない方がいいでしょうね。

今日のシメは、ヤマカガシというのも何ですが…(苦笑)

今日はこれまで!

 

2024年7月20日山行(アップが遅くなってしまった)

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は自然や森林の大切さを伝える活動をしています。 (fukuoka-forest-instructor.com)

 

 

四王寺県民の森 ワンヘルスガイドの日

久しぶりに、四王寺県民の森で通常のワンヘルスガイドのお仕事でした。

が、朝から雨が降ったりやんだり、ガスに包まれたり…

お客さんも少なくて、フィールドのガイドはありませんでしたが、暇な時間に少し散策してみました。

四王寺県民の森 漏刻の池

ガイドコースの入口にある漏刻の池は、ガスに包まれてなんだかいい雰囲気ですね。

 

少し進んで、遊具が設置された「子供の国」もかすんでいます。

子どもの国のトチノキ(ムクロジ科)

ここには、九州での自生はほとんど見られないトチノキがあります。

もちろん植樹されたものですが。

掌状複葉と呼ばれる5~7枚で1組の大きな葉っぱが独特です。

以前に東京の中央・総武線水道橋と御茶ノ水駅の間にトチノキの並木道があったと思います。

福岡だと天神西通りに、この仲間のベニバナトチノキが街路樹として植えられています。

マロニエも、この仲間です。(交配種ですが)

 

県民の森北側の鮎帰の滝です。

鮎帰の滝

さすがに今日は水量多めです。

 

雨の中、生き物たちは元気です。

ヤマガラ

照葉樹林でキビタキの声が響いていたので、姿を探していましたが、出てきてくれたのはヤマガラでした。

 

ホシハネビロアトキリゴミムシ

ツツジの葉っぱに小さな虫が。

ハムシかと思ったら、ゴミムシの仲間だそうです。

 

ツマグロヒョウモン♀

ネジバナ(ラン科)

今の時季、芝の生える草原にはネジバナがよく咲いています。

らせん状の小さなピンクの花は、よく見るとランの花の特徴をしっかり見せてくれます。

このピンクが緑色に合うんですよね。

 

ここのところ、土日は悪天やら所用でなかなか脊振に出かけられません。

金山のツチアケビの花も気になるんですけどねえ…

来週は、いけるかな?

 

2024年6月29日散策

 

ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は自然や森林の大切さを伝える活動をしています。 (fukuoka-forest-instructor.com)

初夏のくじゅうへ

登山者の少なそうな6月平日を狙って、くじゅう・坊がつるでのんびりしようと、出かけましたが…

北大船山から三俣山方面を望む

冒頭の写真の通り、まだミヤマキリシマの花がかなり残っていて、花見の登山客も大勢。

まあ、大渋滞ではなかったので良かったし、北大船山と平治岳には結構咲いていて、思いのほか、素晴らしい景色に出会えました。

 

最近の運動不足で、長者原や牧ノ戸から坊がつるに入るのは、つらそうだったので、今回も最短の吉部からのコースです。

このコースは、登山口からしばらく進むと、すぐに急登があり、これを登り切ると、あとはほとんど平坦な道で、本当に楽なコースです。

吉部ルート唯一の急登

 

急登のあとは、しばらくスギ林の中を行く

急登を登り切ったあと、少しスギの林が続きますが、ここもなかなかいい雰囲気です。

 

登山道脇の斜面には、ニシノヤマタイミンガサの群落が見られます。

ニシノヤマタイミンガサ(キク科)

この植物の花はとても地味ですが、新芽が出たときは、小さな開きかけの傘がたくさん並んでいるようで、なかなかかわいらしい風景になります。

これによく似たヤブレガサも九州に分布する…となっていますが、九州の山で見られるのは,ほとんどがこのニシノヤマタイミンガサのような気がします。

福岡県では、2011年のRDBで絶滅危惧Ⅱに指定されています。

 

スギ林を抜けると、ミズナラの林になりますが、途中大きなイイギリやカツラの大木に出会います。

カツラ(カツラ科)の大木
秋には甘い匂いがします。

ミズナラ林の道

登山口から1時間あまりで、広々とした坊がつるの盆地の北の端に出ます。

坊がつるへ

坊がつるのテント場

この日は、夕方から雨の予報だったので、手早くテントを張って、法華院の山小屋へビールの買い出しに出かけ、テントに帰ってきたら雨が降り始めました。

テントの中で火が使えないので、炊事場の屋根の下で他の登山者の方とビールや焼酎を飲みながら、山の話なんかしながら、食事です。

これは、これで楽しい。

風がないのが幸いですが、星空が見込めないので、早めに寝ます。

 

雨の音やらで、何度も目が覚めますが、4時頃真っ暗な中ホトトギスが鳴き始め、目が覚めます。

雨は上がっていますが、大船山の稜線もまだ雲に覆われています。

せっかくなので、ご来光は無理でも、人の少ない時間に花見をしようと、大船山麓の暗い森の中に入っていきます。

ダンバル下から中岳方面

途中で夜が明け段原が近づいてくると、ちらほらとミヤマキリシマのピンクが現れ始めます。

 

段原から見ると、大船山より北大船山の方が花がびっしりなので、今日は大船山の最後の上りをサボって、北大船山を目指します。

さてさて、北大船山周辺のミヤマキリシマをお楽しみください。

段原から大船山方面の斜面

奥には平治岳のミヤマキリシマも見えています。

 

 

少し雨が降ったり、ガスで景色が隠れたりで、しばらく北大船山をうろうろして、坊がつるに下りてくると、すっかり晴天に…

坊がつるから白口岳、中岳方面を望む

坊がつるから北大船、大船山

今日のところは、このくらいにしておいてやろう!

ということで、朝食をとってそそくさと、テントを撤収。

下山にかかります。

 

ミヤマキリシマ以外の花や生き物たちをどうぞ

ベニドウダン(ツツジ科)の花

鳴子川のほとりにアサガラ(エゴノキ科)の花

 

オカオグルマ(キク科)

フタリシズカ(センリョウ科)

ニホンカワトンボ…かな?

 

ルリタテハ

 

ホオアカ
坊がつるの草原でたくさんのホオジロがさえずって…と思って、よく見ると
…ホオジロの仲間のホオアカでした

オオルリ

登山口まで下りてくると、道路脇の森の中でオオルリの美しいさえずりが聞こえるので、しばらく探していると、目の前に出てきてくれました。

緑の中で撮影すると、あのきれいな深い瑠璃色が画像には出ないんですよねぇ…

 

今回は、天候がいまいちで、星空は見えませんでしたが、それでも花は見事で、楽しいテント泊山行となりました。

また、梅雨が明けたら行こうっと!

 

2024年6月6日、7日山行

 

久しぶりに脊振山地へー初夏の井原山

井原山頂からヤマボウシの花越しに雷山方面

 ここのところ、土日にイベントごとやこまごました所用で、全然山に行けない日が続いていましたが、やっと出かけることができました。

 久しぶりなので、足慣らしがてら井原山・水無渓谷のルートをのんびりと

 

はっぱにカタツムリ

登山口から沢を渡るとすぐに目の前の葉っぱに小さなカタツムリが…

かわいいといえばかわいい…、気持ち悪いといえば…(苦笑)

 

今の時季は、ウツギが花盛りですね。

ウツギ(アジサイ科)の花

 ウツギの名がつく植物は、茎や枝が中空に、つまり空洞になっているものがほとんどです。

 ウツギ=空木

 主にアジサイ科のものとスイカズラ科のものがあります。

 下の写真のウツギには、スジグロシロチョウが来ていますね。

スジグロシロチョウ

こんな感じのちょうちょです。

モンシロチョウによく似ていますが、翅に丸い紋がありません。

 

水無鍾乳洞の第2入口への分岐から少し進むと、こうぞう岩という岩があります。

「こうぞう」とは、方言で(糸島地区?)ふくろうのことだそうです。

水無谷の「こうぞ(ふくろう)岩」

そういわれれば、フクロウに見えないこともないです…か?

この辺りに石灰岩質の地層で、鍾乳洞があって、石灰岩がごろごろしています。

この「こうぞう岩」も石灰岩が雨などで削れて、こんな形になっているみたいです。

この岩の下から流れ出る水は、石灰岩質からの湧き水で、飲むことができます。

 

山を歩いていると、足元にたくさんの白い花が落ちているのに気付きます。

エゴノキ(エゴノキ科)の花

上を見上げると、エゴノキの花が鈴なりに咲いています。

実にはサポニンが多く含まれていて、口にするとえぐくて食べられないので、エグの木から「エゴノキ」

 

森の中には、サイハイランの花があちこちに

サイハイラン(ラン科)

枯れているのかと思うほど、地味な花ですが、よく見ると花弁、萼片と唇弁とちゃんとランの花の構造になっています。

何度も紹介していますが、将がふるう「采配」に似ているので「サイハイラン」です。

 

 

マタタビ(マタタビ科)の葉

マタタビの葉っぱが白いペンキをかけられたようになっています。

これは、自ら葉の中に空気を入れて白く見えるようにし、蝶やハチを呼び寄せているといわれています。

蝶やハチは、白や黄の色で花を探しているそうです。

 

クマイチゴ(バラ科)

キイチゴがなっていますね。

この山には。黄色い実のナガバモミジイチゴとこの赤い実のクマイチゴがたくさんあります。

個人的には、少し上品な風味のクマイチゴの方が好きです。

 

谷沿いで時々せわしないさえずりが聞こえてきます。

ミソサザイ

小さな小さな鳥、ミソサザイのさえずりです。

ところで、古代日本の仁徳天皇という方をご存じでしょうか?

漢風諡号が「仁徳天皇」、和風諡号は「大鷦鷯の命(おおさざきのみこと)」

「さざき」とはこのミソサザイの古名だそうです。

当時ミソサザイは、吉兆の鳥と言われていたようです。

 

生き物たちが元気ですね。

カナヘビ

子供たちに人気のカナヘビ。

恐竜っぽいのがいいそうです。

ヘビの名がついていますが、トカゲの仲間です。

 

スイカズラの花も咲いています。

スイカズラ(スイカズラ科)

スイカズラの仲間は、花の色が咲いているうち変わっていくものが多いようです。

一番はっきりしているのは、ニシキウツギですね。

 

こちらはアジサイ科のウツギ

コガクウツギ(アジサイ科)

コガクウツギです。

アジサイの仲間らしく、花のような、花より目立つ装飾花があります。

 

稜線ではヤマボウシがたくさん咲いています。

ヤマボウシ(ミズキ科)

秋になる実はおいしいですね。

街路樹でよく見るハナミズキはこの仲間です。

 

これはタンナサワフタギの花

タンナサワフタギ(ハイノキ科)の花

沢をふさぐように生えるので「サワフタギ」ですが、この辺りでは稜線の方がよく見かけます。

 

ヤマツツジも

ヤマツツジ(ツツジ科)

タツナミソウも

ツクシタツナミソウ(シソ科)

今、山の花は少し端境期ですが、それでも色々な花が見られます。

 

イチヤクソウは、まだつぼみでした。

イチヤクソウ(ツツジ科)

照葉樹林の中の尾根道

スギ林では、ツクバネソウがまだ咲いていました。

ツクバネソウ(シュロソウ科)

 

虫たちも元気です。

アトモンアオゴミムシ

ルリタテハ

ルリタテハは、全体には黒っぽいチョウですが、翅の青い帯が美しい。

 

春から夏、秋と、この季節は花や虫や生き物たちが元気で、楽しいですね。

そろそろ、九重あたりにも出かけたいなあ…

 

2024年6月2日山行

 

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初夏の四王寺山

5月はイベントごとが多くて、なかなか脊振に出かけられません。

この日は、四王寺県民の森で、地元の私立高校の生徒たちの自然観察会です。

始まる前にコースを歩いて、色々な生き物に出会ってきました。

焼米ヶ原から筑紫平野・筑後平野を望む

県民の森管理センターから漏刻の池へ

池の中をのぞくと、たくさんのメダカのような小魚が泳いでいます。

メダカ…?カダヤシ?

メダカによく似た魚で、カダヤシという魚がいます。

繁殖力が強く、攻撃的なので、特定外来生物に指定されているそうです。

尻ヒレで判別できますが、写真には写っていないので、どちらかわかりません。

こんど、しっかり確認してみます。

 

タツナミソウもあちこちで咲いています。

タツナミソウ(シソ科)

葉っぱの感じから、ツクシタツナミソウかな?

 

昔、田んぼだったところが湿地になっています。

護岸を施されていない、緩やかな陸地と水辺のつながり…エコトーンと呼んでいます。

新緑の森の中へ

たくさんの水生生物や、両生類、トンボなど水辺の昆虫もいます。

トノサマガエル

トノサマガエルは、昔はたくさんいましたが、今福岡県では絶滅危惧ⅠBに指定されています。

確かに、久しぶりに見たような気がします。

 

小型のシオカラトンボかな?

シオヤトンボ♂

と思ったら、シオヤトンボでした。

シオカラトンボより少し小ぶりで、尾の付近の色が少し違いますね。

シオヤトンボ♀

シオヤトンボのメスは産卵中です。

少し離れて、オスがメスの周りを飛びながら警戒しています。

ボディガードですね。

 

こちらは、サナエトンボの仲間のようです。

タベサナエ

タベサナエかな?

 

湿地の泥の上にハンミョウがいました。

ハンミョウ

いつもアスファルトの上にいるので、なんだか珍しいですね。

 

エコトーンの湿地から斜面を登ってヒノキ林を抜けて焼米ヶ原に向かいます。

ヒノキ林を登って

コガクウツギの花にツマグロハナカミキリ

コガクウツギの花に、ジョウカイボン?と思ったら、なんか違う。

ハナカミキリの仲間で、ツマグロハナカミキリのようです。

ハナカミキリの仲間は、ガマズミ科の花やアジサイ科の花に多いように思います。

 

サクラの木にホオジロ

サクラ(ソメイヨシノ)の木でホオジロがさえずっていました。

 

モンキアゲハ

アザミの花には、モンキアゲハがたくさん来ていました。

黒色のアゲハチョウは、飛んでる姿ではなかなか判別ができませんが、モンキアゲハは、大きめの白い紋があるので、比較的すぐにわかります。

 

こちらは

アオスジアゲハ

草原のシロツメクサにアオスジアゲハです。

いつもは高い木の花にせわしなく飛び回っているので、なかなか写真が撮りづらい蝶ですが、今日は、ひとつの花の蜜に集中していたようで、かなり近づけました。

 

ナルコユリもたくさん咲いています。

ナルコユリ(キジカクシ科)

サルトリイバラ(サルトリイバラ科)の実
ブドウ?シャインマスカットみたい?

 

ホオノキ(モクレン科)

もう花は終わっていましたが、ホオノキの大きな葉っぱがまぶしい。

さわやかな晴天が続いて、森も初夏の雰囲気です。

そろそろ、くじゅうあたりにも出かけたいんですが…

 

2024年5月17日散策

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連休中に見つけたもの

連休中は、いつもの脊振のいろんな山や四王寺山あたりをうろうろしていました。

あちこちで見つけた花や虫たちを…

新緑の森

今年は、樹木の花も草花も、少し花が早いような気がします。

でも、まだ咲いていてくれました。

サバノオ(キンポウゲ科)

沢沿いにサバノオの小さな花が少しだけ残っていました。

 

コミヤマスミレ(スミレ科)

少しくらい森の中の斜面によく見られるスミレです。

コミヤマスミレです。

 

ツクバネソウ(シュロソウ科)

花弁のない草花、ツクバネソウです。

花は地味ですが、4枚の輪生した葉っぱが目立ちます。

 

ちょっとバッテリー切れで、スマホ写真ですが…

コケイラン(ラン科)

コケイランも最近は、ずいぶん減りました。

やっぱり盗掘かな?

福岡県の絶滅危惧Ⅱ種に指定されています。

 

これもそうですね。

シュンラン(ラン科)

カヤラン(ラン科)

これは樹木に寄生する着生ランですね。

花が咲いてないとほとんど気が付かない。

これもずいぶん数が減っています。

 

ギンリョウソウ(ツツジ科)

ミツバウツギ(ミツバウツギ科)

ハイノキ(ハイノキ科)

 

小動物や虫たちも

タゴガエル…かな?

クモの巣作り?

ワカバグモかと思いましたが、腹の形が違うようですね。

シロダモの葉っぱの上に糸を巻き付けて、産卵の準備でしょうか?

単なるねぐら?

 

ハンミョウ

林道のコンクリートの上にハンミョウがいました。

普通山の中では、色が地味なニワハンミョウをよく見かけますが、普通のハンミョウは珍しいですね。

翅が美しい!

 

登山道にきれいな鳥の羽根が落ちていました。

カケスの羽

調べたら、カケスの羽根のようです。

 

葉っぱの上にまた別の虫が…

カメムシ?

アカスジキンカメムシ(幼虫)

アカスジキンカメムシの幼虫のようですね。

カメムシではありますが、成虫はきれいな色をしています。

アカスジキンカメムシ(成虫)

この写真は、2018年に脊振山中で撮影したものです。

 

最後に、ミズナラの若葉がきれいだったので…

ミズナラ(ブナ科)の若葉

2024年4月29日~5月4日散策