しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

GW最終日は九千部山へ

九千部山山頂展望台から筑後方面を望む

今年のゴールデンウイーク(NHK的には大型連休)は晴天の日が多かったですね。

最終日も朝から気持ちのいい晴天で、家でゆっくりという気分にはなりません。

桜谷のサバノオも気になるので、ちょっと九千部山へ出かけることに

 

九千部山は福岡県那珂川市と佐賀県鳥栖市の境に横たわる山で、標高847m、筑紫平野側から見ると山頂付近が平べったく見えます。

福岡平野、筑紫平野、筑後平野から佐賀平野方面まで見渡せるので、山頂付近にはたくさんのテレビ局の電波塔が建っています。

九千部山の名前は、災害に悩む人々を救うために一万部のお経を山頂で読経しようとしたが、九千部までで命尽きてしまったという(非常に簡単に言うと)伝説に寄るものとか(諸説あります)

この九千部山の登山コースの内毎度お世話になっているのが桜谷コースです。

ここもなかなか、春は色々な花に出会えます。

沢を渡って本格的な登山道になります

今は閉鎖されているグリーンピア那珂川の入口付近に登山口があります。

登山口から沢沿いの道、グリーンピアの施設を抜けると上の登山口へ

ここから、本格的な登山道に入ります。

すぐに沢を渡りますが、ここがいつもきれいなので、つい写真を撮ってしまいます。

毎回同じですみません。(まあ、このブログはどの記事も毎年同じような写真ですが)

 

スギ林を登っていくと、一旦倒れた後に頑張って上に向かって伸びているスギの木に出会います。

「根性のスギ」と名付けましょう

根性杉

 

登山口からすぐ色々な花に出会います。

ツクシヤブウツギ(スイカズラ科)

ツクシヤブウツギは、九千部山から坂本峠の付近でよく見かけます。

ウツギと名のつく植物には大まかにスイカズラ科とアジサイ科のものがあります(他にもミツバウツギ科、バラ科のものなどありますが)

この内、スイカズラ科のものは花の色がはじめは白色で、だんだんオレンジや茶色に変わっていくものが多いようです。(ウツギやスイカズラなど)

このヤブウツギや同じ仲間のニシキウツギは、白からピンクに変わるので、ひとつの木に2色の花が咲くという華やかで不思議な特徴を持っています。

 

沢沿いにはちょっと時季が遅かったようですが、まだサバノオの花が残っていました。

サバノオ(キンポウゲ科)

本当に小さな花で、多分登山者のほとんどの人が気付いていないようです。

でも、よく見るとかわいらしい花です。

一番下の画像の左側に少し移っているT字型の部分が種になりますが、これが鯖の尻尾に似ているから「サバノオ」の名がついたとか。

これ以上は何も言いませんが…(苦笑)

 

稜線付近まで出るとアカガシの森が広がっていますが、比較的明るくて、この時季は林床のクロモジ、シロモジ等の低木の新緑が爽やかです。

稜線付近の新緑

 

ギンリョウソウ(ツツジ科)

照葉樹林の林床にはギンリョウソウが花を咲かせています。

見ての通り、葉緑体がありません。

つまり、自分で栄養をつくり出すことはなく、根っこにいる菌類(キノコの仲間)の力を借りて、まわりの樹木がつくり出した栄養をもらいながら生きています。

以前は、枯れ葉の栄養で生きていると言われていましたが、最近の研究で枯れ葉から栄養をとる力もなく、菌類の力を借りていることがわかったそうです。

真っ白であやしい姿から「ユウレイタケ」という別名もありますが、キノコの仲間ではなく、なんとツツジの仲間だそうです。

 

脊振山系では春によく見かけるホウチャクソウもたくさん咲いていました。

ホウチャクソウ(イヌサフラン科)

ツリバナ(ニシキギ科)

これはだれも気付いていませんが、ツリバナというマユミの仲間の木の花です。

花弁が5枚あるのがツリバナ、4枚が十字状に開いていればマユミです。

葉っぱもよく似ていますし、秋につける赤い実もそっくり。

この花の前で出会ったお二人の方に「マユミですよ」と言ったものの、あとでツリバナだったことに気付いて、訂正しなくてはと思っていましたが、その方々は10分以上前に下山していって…

ところが、途中でまた会うことができたんですが…

 

なんと、大変なことに途中の沢にお一人が転落してケガをされていたようで、救急隊を要請しているところに追いついたので、たまたま通りかかった別の男性の方と一緒に救急隊や警察の対応等をお手伝いさせていただきました。

幸い意識はあって、お話も落ち着いてできていたのですが、出血があり、骨折の疑いもあったのでかなり心配でした。

どうやら狭い登山道に降り積もったアカガシの葉っぱで滑って90度に近い急斜面を転落してしまったようです。

この時季の照葉樹林では古い葉っぱがたくさん落ちていて、まだ分解されていないので、表面のロウの成分がつるつると滑りやすくて、急斜面等ではとても危険な状況になります。

みなさんも、十分にお気をつけください。

 

それから、最近はファーストエイドキット(救急箱)を持たずに山に入る方が多いようです。

山に入る際は下痢止め、鎮痛・解熱剤(バファリン等)、傷用パッド、テーピングテープ、消毒剤(マキロン等)、虫刺され用のステロイド剤等々は必ず持って行ってください。

私は単独で山に入ることが多いので、必ず持って行きますし、できるだけセルフレスキューを意識してはいます。(もちろん、一人ではどうしようもないこともありますが)

今回ケガをされた方は、胸の痛みを訴えておられましたが、痛み止めを持っていらっしゃったので、ケガの痛みには対応できていたようでよかったと思います。

 

救急隊が来る前に私は下山をはじめたのですが、途中救急隊に出会ったので情報を伝えて無事下山しました。

無事病院に入られたことと思います。

 

自分自身も2年ほど前に一人でケガをしてしまって大変な思いをしましたし、その前にはスズメバチに襲われた小学生の団体を救急車が来るところまで連れて行ったり…

山は素晴らしいところですが、危険もたくさんあるということを意識しながら、たのしんでいきましょう。

 

2026年5月10日山行

 

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