しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

キツネノカミソリの穴場 車谷へ

8月11日にキツネノカミソリを求めて車谷に出かけたんです。

ほぼ満開で素晴らしい風景でした。

…でした、が、うちに帰って画像データをPCに転送しようとしたとたん、データが壊れて…

復旧ソフトでも復旧せず…

こうなったら意地です!

14日に再度チャレンジ!

ということで、もう一度車谷へ…(今回は6日にも様子を見に行ったので3回目…苦笑)

車谷のキツネノカミソリ

脊振の常連さんが口々におっしゃるのが「最近車谷のキツネノカミソリがすごくなってる」

まあ、水無谷と同じとまでは言いませんが、以前のイメージからすると圧倒的に数が増えた感じで、なかなかの迫力です。

 

と、まあ登山口から順番に…

アキノタムラソウ(シソ科)

ヌスビトハギ(マメ科)

登山口付近の日当たりのよい草藪にはアキノタムラソウが咲いていました。

「秋の」という割には毎年夏の早い時期から咲き始めています。

杉林の林床にはヌスビトハギです。

なんとも可愛そうな名前です。

由来については、実の形が泥棒の足跡に似ているとか、実がいつの間にか衣服にくっついているからとか…?

 

先日、「ハナミョウガの花はまだ…」なんて言っていましたが…

ハナミョウガ(ショウガ科)の実

よく考えたらハナミョウガは5月頃にとっくに終わって、今はもう実になっています。

いつの間にか花の時期を過ぎてました…(苦笑)

 

これも日当たりのいい草むらにたくさん咲き始めています。

キンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属)

これは、紅白の花が付くタデ科のミズヒキに対し、黄色の花であることから「金水引」となったようです。

水引とは随分見た目も違いますが…

 

登山道を歩いているとスダジイの幹になにやら…

生き物が隠れているのわかりますか?

木の幹に生き物が…?

カジカガエル

見事な保護色ですが、体の模様などからカジカガエルのようです。

初夏に沢沿いでカエルとは思えないきれいな声で鳴いています。

Youtubeで検索するとたくさん出てきますので聴いてみてください。

 

沢沿いにはクサアジサイも咲いていますね。

クサアジサイ(アジサイ科)

草(草本)のアジサイということですね。

梅雨から初夏に咲くヤマアジサイはきれいなブルーですが、クサアジサイは淡いピンクです。

形もいまいち整っていないものが多いですね。

 

林道などではマツカゼソウも咲いています。

マツカゼソウ(ミカン科)

実は知らなかったんですが調べてみると「ミカン科」でした。

ピンとこないですね。

白いかわいらしい花となんだか涼しげな名前がいいですね。

この写真は、少し花が開いてしまっているので…いいわけですが…もう少し前の時季だと花が本当にかわいらしいです。

 

サンショウウオも順調に成長しているようです…

サンショウウオ(ブチサンショウウオ)

見た目は変わってないけど(笑)

 

トチバニンジンの実

トチバニンジンが真っ赤な実を付けてます。

花よりこの実がよく目立ちますね。

ひっくり返したら線香花火の終わりのほうみたいで…

 

さあ、上の林道から少し急な斜面を登り沢を渡ると…

キツネノカミソリ(オオキツネノカミソリ)の群落

最初のキツネノカミソリの群落があります。

昨年辺りから随分迫力が増したようです。

ちょっと感動です。

なにより、井原山水無谷に比べ人がほとんどいないのが良いですね。(笑)

オオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)

ヒガンバナの仲間で、5月頃にカミソリに見立てられた平べったい長い葉が一斉に出てきて、5月末にはこれが全て枯れて8月はじめの忘れた頃に花だけが一斉に咲き始めます。

おしべが長く突き出しているのがオオキツネノカミソリ。

ひと株ずつ確認したわけではありませんが、井原山も車谷もほとんどがオオキツネノカミソリのようです。

 

この群落からさらに登り沢の源流部から少し下った辺りにもう1箇所群落があります。

(冒頭の写真)

このあと、キツネノカミソリとさよならして、谷を詰め矢筈峠から稜線を歩いていきますが、稜線の縦走路の様子は記事を分けてお伝えします。

 

  2022年8月14日山行(前編)

 

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