しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

豪雨の爪痕・・車谷

更新さぼってました…

…で

7月の豪雨の時には、脊振山地上空にもしばらく線状降水帯が発生していたので、登山道や林道にもかなりの影響が出ていそうです。

林道は確認できただけでも、椎原登山口と小爪谷の間の林道1か所、三瀬峠方面から滝川谷の登山口(花乱の滝上流)への林道、三瀬村から椎原峠方面へ向かう林道(佐賀県側)は土砂崩れで通行止めになっていました。(佐賀県側はすぐに重機が入っていたので復旧しているかも)

時期的に、車谷のキツネノカミソリ、オニコナスビの状態も気になるので、車谷に出かけました。

 

車谷の沢も水量が多めです

車谷ー矢筈峠のルート、上の林道から上の沢は色々なところに爪痕が残っていました。

豪雨の爪痕
斜面の樹木が根元からごっそりと沢まで滑り落ちています。

椎原峠への登山道も、斜面がえぐられています

キツネノカミソリの群生地

車谷上流部のキツネノカミソリの群生地は、斜面の球根も流され、大小の石や岩が流れ込んでいます。

ここ数年、車谷のキツネノカミソリの群生地はたくさんの花が咲き誇って素晴らしい風景をつくってくれていましたが、今年はちょっと厳しいようです。

かろうじて咲いていたオオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)

残った株は少しずつ花を咲かせていましたが、上の群生地を見る限り、こんな花やつぼみ、茎さえも見当たりません。

 

こちらは、元気に咲いてくれていました。

オニコナスビ(サクラソウ科)

最近、この辺りのオニコナスビも有名になって、踏み荒らしが問題になっています。

別の自生地もあるんですが、数年前にイノシシが掘り返したようで、少し数が減ったうえにここ数年花がついていないようです。

盗掘はもってのほかですが、踏み荒らしでも群落が弱ってしまいます。

気を付けたいものです。

 

こちらはまだつぼみ…

ヤマジオウ(シソ科)のつぼみ

ヤマジオウも県によっては絶滅危惧種に指定されている花です。

地味ですが、大切にしたいですね。

 

豪雨の爪痕が残る中、色々な生き物がしっかり季節を表現しています。

クヌギタケの仲間?

キノコは難しいのですが、多分、クニギタケの仲間でしょうか?(って、質問型)

 

オトギリソウ(オトギリソウ)

オトギリソウも色々な種があります。

このあたりでは、オトギリソウ、ナガサキオトギリ…色々…

 

コオニユリ

コオニユリ(ユリ科)

オニユリによく似ていますが、オニユリは葉の付け根にムカゴが付きますが、コオニユリは、ムカゴが付きません。

 

虫や生き物たちも元気です。

スジコガネの仲間

葉っぱを食べるコガネムシと…

 

センチコガネ

糞やキノコを食べるコガネムシ。

じつは、仲間のカブトムシも糞や腐葉土に集まりますね。

 

こちらは、捕まえると、ひっくり返って死んだふりをして、しばらくするとペコンッと飛び上がるコメツキムシです。

コメツキムシの仲間

多分、クシコメツキの仲間かと思います。

 

チャバネセセリの仲間

セセリチョウの仲間もいろんな種類がいます。

ガではありません。

 

ジャノメチョウの仲間、ヤマキマダラヒカゲ

ヤマキマダラヒカゲ

ヒグラシ

珍しく近づいても逃げないヒグラシが目の前で鳴き始めました。

カメラを向けると、鳴きながらゆっくりと木の裏に隠れようとします。

…が、なぜか1周まわってまた目の前に来てくれました(笑)

 

ブチサンショウウオ

サンショウウオちゃんたちは、雨にも流されず清流で元気に成長しています。

 

無残に豪雨に流されたキツネノカミソリの球根や樹木もありましたが、自然の中で季節はしっかり巡っています。

生き物たちはたくましいですね。

2023年7月23日山行

 

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