しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

四王寺山

今回は、脊振ではありません。

四王寺山のワンヘルスガイドをやるのにこの山域のことを知っておきたいので、管理センターを起点に稜線を1周してみることにしました。

四王寺山最高峰の大城山(410m)山頂

 

ワンヘルスコースのスタートは漏刻の池からです。

漏刻の池

この池は、人口の池ですが、写真右に移っている構築物は、日本ではじめてつくられた水時計(漏刻)を再現したものです。

初めての漏刻は天智天皇がつくらせいたもので、これに合わせて鼓や鉦で時を知らせたということです。

 

この時期は、いろいろな植物の冬芽がみられます。

コブシ(モクレン科モクレン属)の冬芽

 コブシはふかふかの毛皮で 冬の寒さから冬芽を守っています。

 

トチノキの冬芽

トチノキの冬芽は、写真ではわかりませんが、さわるとべたべたします。

これは樹液で、冬芽の隙間などをふさぎ、寒さから冬芽を守るそうです。

 

子供の国から増長天跡への木段は、開けた明るい、気持ちのいい道です。

増長天跡(礎石)
増長天は四王寺山の名前のもとである四天王のうちのひとつ

焼米ヶ原に出ると南側の景色が開けて、筑後平野が見渡せます。

四王寺稜線に連なる土塁跡

焼米ヶ原から西側を見ると、土塁の外側が切れ落ちていて、城壁らしさが見られます。

 

ヤシャブシ(カバノキ科ハンノキ属)の実

日当たりのいい稜線付近にはヤシャブシの木がたくさん見られます。

 

稜線を1周する縦走路は大半が土塁の上です

この時期はほとんど草花は見られませんが、1月の四王寺ではセリバオウレンが咲き始めています。

セリバオウレン(キンポウゲ科)

セリバオウレンの葉は、本当にセリのようです

山域東側のピーク、大原山(354m)の山頂です。

大原山山頂

四王寺山は北側が開いたいわゆる「馬蹄形」の稜線で、北側の谷には石垣を築いて城壁が1周しています。

その石垣の一部が小石垣、百閒石垣として残っています。

小石垣

登り返して最高峰大城山の山頂付近に毘沙門天(毘沙門堂)があります。

毘沙門堂(毘沙門天)

毘沙門天境内のスダジイの大木

大城山下の展望台から水城を望む

写真中央付近に斜めに直線的にみられる木立が水城跡です。

高速道路に分断されていますが、昔は向こう側の山裾まで堤が連なっていました。

 

ヤマガラ

稜線の森の中でヤマガラがさえずっていました。

 

四王寺山の東側の稜線は、少し三郡の縦走路(三郡山から砥石山付近)の雰囲気があって気持ちのいい道でした。

三郡縦走よりはずーっと楽に歩けますので、ぜひ一度歩いてみてください。

今回左回りに歩きましたが、管理センター起点で、増長天付近から時計回りに回るのが

楽でいいかもしれません。

 

2023年1月9日山行

 

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