しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

1ヶ月ぶりの脊振山地へ(金山)

金山山頂を振り返る

うわぁ~、もう1ヶ月経った!

5月は前回更新以来、毎週土日に森林インストラクター関係の仕事でいっぱいになってしまい、そうこうするうちに梅雨入りになって、まったく山行きができませんでした。

…とはいえ、ちょっと宝満山には出かけたんですが、石段の写真ばっかりで…(苦笑)

この日は久しぶりに天候も良く、予定も入っていなかったので、軽く佐賀県側から金山ー小爪峠を歩いてきました。

 

金山南面の沢

金山南面の沢は比較的おとなしめですが、前日までの雨の影響もあり、水量が多めです。

ウリハダカエデ(ムクロジ科)の新緑

ウリハダカエデの大木に新緑がまぶしい。

 

ニホンカワトンボかな?

沢沿いでは、川トンボがたくさん飛んでいました。

翅の白っぽいポチが付いていないので…アサヒナちゃんではないかな?

多分、ニホンカワトンボかな。

 

エゴノキの花はほぼ終わりかけていますが、地面に落ちた花が雪のように降り積もっています。(浜田省吾?…)

エゴノキ(エゴノキ科)の花で真っ白

エゴノキ(エゴノキ科)の花

エゴノキは、実(果皮)にサポニンという成分を多く含むので、食べるとえぐみがひどいので、エグ→エゴ・の木となったそうです。

じゃあ、エゴノキでいいじゃん!

なんか、またもやもやする感じのネーミングですね。

このサポニンは、石けんの成分でもあるので、これ石けんの代わりにすることもできます。

 

縦走路のブナの森

脊振の稜線には、タンナサワフタギの木もたくさん見られます。

タンナサワフタギ(ハイノキ科)の花

サワフタギとは、沢を塞ぐように繁るので「沢ふさぎ」または「沢蓋木」からついた名前といわれていますが、このタンナサワフタギは、沢沿いよりもどちらかというと稜線でよく見ます。

ハイノキ科らしく、ハイノキの花によく似ています。

ちなみに、「タンナ」とは、今の韓国・済州島に建てられていた耽羅国(たんらこく)

からきているそうです。

 

ヤマキマダラヒカゲ

金山山頂の道標の上に、ヤマキマダラヒカゲがとまっていました。

ジャノメ蝶の仲間ですが、翅の「蛇の目」は小さくてあまり目立ちませんね。

 

ベニドウダンもたくさん咲いています。

ベニドウダン(ツツジ科)

シロドウダン、ベニドウダンも、稜線でよく見かけます。

もうそろそろ、花も落ちているので、これも地面に落ちた花で気付きます。

 

林床にも草花がいろいろ

ギンリョウソウ(ツツジ科)

タツナミソウ(シソ科)

 

今日は本当に天気がいい!

縦走路途中の岩場から脊振山を望む

 

林道沿いでも、色々な花が見られます。

ヤブムラサキ(シソ科)

ムラサキシキブの仲間のヤブムラサキは、秋になると小さくて、きれいな紫色の宝石のような実を付けます。

葉っぱがふかふかで、さわると気持ちいい。

 

スイカズラ(スイカズラ科)

スイカズラは、日本原産の植物だそうです。

花を引き抜いて蜜をちゅうちゅう…今日はしなかった。

蜜を吸うから「吸いカズラ」…でも、漢字で書くと「忍冬」

何でだろう?

因幡晃さんに聞いてみよう。(あ、作詞はちあき哲也さんだ)

薬草だそうです。

 

これも、この時季よく見かける花

ウツギ(アジサイ科)

ウツギです。

あ、アジサイ科だったんだ。

アジサイ科で装飾花がないのは、珍しいように思います。

茎や枝の芯が空洞になっているので「空木(うつぎ)」だそうです。

「ウツギ」と名前の付くものには、アジサイ科とスイカズラ科のものがありますね。

そのあたりは、またおいおい。

 

スギ林の中に、スミレが実を付けていました。

スミレの種

多分、シハイスミレかな?

三つにパカッと割れて、中から種が飛び出しますね。

 

これは…

ジャコウアゲハ?

翅の色、後翅の尾の長さから、多分、ジャコウアゲハの♀かな?

…ということは、食草のウマノスズクサがあるのか?

そういえば、それらしき葉っぱを見かけたなあ…

などと考えながら…多分、ジャコウアゲハでしょう。

 

林道のイチヤクソウは今年も元気です。

イチヤクソウ(ツツジ科)

梅雨明けまでは、晴れ間を狙って出かけるしかないですね。

まあ、雨の山の良さも十分知ってはいるんですが、はじめから雨とわかっていて出かけることは、ここ最近なくなりました。

だって、あとが大変だもん。

ところで、最近の梅雨は雨の降り方も熱帯っぽくなってきてるので、災害が起きない程度のほどほどでお願いしたいものですね。

 

2023年6月3日山行

 

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