しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

春の花を求めて、またまた井原山へ

この時期になると、「花の山」井原山が気になります。

久しぶりに、キトク橋の登山口から、アンノ滝、瑞梅寺川源流を経由して、山頂を目指します。

ダルメキ谷コース途中のアンノ滝

このルートも、季節ごとに色々な草花に出会えるんですよね。

今日は、ヤマザクラ、ヒトリシズカ、トウゴクサバノオ…あたりかな?

 

タブノキ(クスノキ科)の花

登山口の駐車場も駐車スペースは満車で、他に空いたスペースにも車はとめられますが、最近がら空きのバス停広場に駐車して、車道をぶらぶら歩いて登山口に向かいます。

道路わきには、もう、タブノキやクロキの花も咲いています。

 

登山道の徒渉点で、古い倒木にカンスゲがたくさん着生しているのを見つけました。

生命力ですね。

倒木にカンスゲ(カヤツリグサ科)

 

上の林道からスギ林を登って行くと、すぐにヒトリシズカに会えました。

ヒトリシズカ(センリョウ科)

ひとりで静かには咲いてませんね。

大勢で楽しそうに咲いてます。

 

アンノ滝のヤマザクラ(バラ科)

今日の目的のひとつ、アンノ滝のヤマザクラ!

咲いてました。

もうそろそろ見ごろになりそうです。

 

滝のそばには色々な花

アンノ滝とヤブツバキ(ツバキ科)の花

フウロケマン(ケシ科)

ニリンソウ(キンポウゲ科)

水無渓谷ほど多くはありませんが、ニリンソウもぼちぼち咲いてます。

 

分岐から、崩れかけた斜面をトラバースすると、途中でヤブツバキの花がひとつ

山道にヤブツバキの花が

瑞梅寺川源流付近で、黄色く光る花?

イロハカエデ(ムクロジ科)の若葉

いやいや、イロハカエデの若葉に陽が当たって、黄色い花のように光っていました。

 

源流部から急登を登って尾根道へ

照葉樹の森の尾根道は木の根が絡み合っています

山頂から望む福岡市内は黄砂でかすんでいます

稜線から山頂では、南風ながら冷たい、強い風が吹きつけます。

おまけに、黄砂でかすんで360度の景観も、ほとんど何も見えません。

 

山頂から雷山への縦走路を下ると、湿った斜面にショウジョウバカマの花が咲いています。

ツクシショウジョウバカマ(メランチウム科)

これも、面白い

ヤマツツジ(ツツジ科)の新芽

ヤマツツジの新芽のようです。

なんか、面白いですね。

 

やっと、スミレの花も咲き始めています。

シハイスミレ(スミレ科)

シロバナナガバノスミレサイシン(スミレ科)

シハイスミレとナガバノスミレサイシン。

スミレには大きく、地上茎がある種類とない種類がありますが、この2種は地上茎がない(まはた発達しない)種類です。

スミレサイシンとは、スミレですが、花の後の葉っぱが、ウスバサイシン(ウマノスズクサ科)の葉に似ているという理由でついた名前だそうです。

井原山のダルメキ谷コースの尾根道では、この時期たくさんのシロバナナガバノスミレサイシンが見られます。

長い名前ですが、白花の長い葉っぱのスミレサイシンということですね。

スミレサイシンに蜂

そのスミレサイシンに、ハチ(かな?)が来ていました。

スミレは、花の後ろの「距(きょ)」が大工道具の「墨入れ(墨壺)」に似ているのでついた名前。

距に蜜があるので、口吻が長いハチ(特にミツバチ)が蜜をすいやすい形になっています。

受粉の媒介にミツバチをわざわざ選んでいるということですね。

 

脊振山地では、イヌシデやクマシデをよく見かけますが、このイヌシデは、幹に独特な縦じまがあります。

イヌシデ(カバノキ科)の幹は不思議な模様

この木は、特別面白い模様です。

ちょっと「ヒル」のようにも…(苦笑)

 

エンゴサクも2種

ヤマエンゴサク(ケシ科)

ジロボウエンゴサク(ケシ科)

ヤマエンゴサクとジロボウエンゴサク

ヤマはジロボウよりやや大型で、花の色が青紫。

ジロボウの花は赤紫。

でも、もっとも正確な見分け方は苞葉の切れ込みの有無です。

 

そして、これも今日の目的のひとつ。

トウゴクサバノオ(キンポウゲ科)

トウゴクサバノオ。

今年も小さな小さな、かわいらしい花を咲かせていました。

葉っぱが魚のサバの尾の形に似てるから…似てるか?

…いやあ、それにしても春っていいですね。

2024年3月30日山行

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