しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

ワンヘルスの森(福岡県立四王寺県民の森)

四王寺山・焼米ヶ原から筑紫平野を望む
四王寺山では1300年以上前につくられた山城(大野城:おおののき)
の土塁などの遺跡がたくさん見られます

 

またまた更新が滞ってしまいました。

森林インストラクターのお仕事が立て込んでいたこともありますが、10月から始まったワンヘルスガイドの講習会に参加していたこともありまして、前回の更新以降、脊振にも出かけられませんでした。

ところで、ワンヘルスガイドって何でしょう?

「ワンヘルス」とは「人と動物の健康と環境の健全性はひとつ」という考え方で、福岡県の場合、獣医師会が中心となって2020年から条例などもつくられ、進めてきたプロジェクトです。

世界的には以前からこのような考え方はありましたましたが、このところの新型コロナ禍をはじめとして、エボラ出血熱、サーズやマーズ等動物由来とされる感染症が増えてきたことがきっかけでしょう。(詳しくは福岡県のHPへ…下にリンクあります)

こういったプロジェクトをもとに、福岡県では四王寺山の県民の森をワンヘルスの森として整備し、主に環境保全、人間と動物とのかかわり方などを感じることができるフィールドとなっています。

…で、話が長くなりましたが、このフィールドのガイドとして講習を受けて、12月16日からガイドデビューをしました。

 

さて、この四王寺山は最高峰が標高400mあまりの低山ですが、脊振とは植生も異なり、多様性に富んだ素晴らしい森です、

 

ワンヘルスの森の紅葉(イロハカエデ)

ガイドコースの起点となる管理センターの横には「ワンヘルスミュージアム」があり、四王寺の自然、歴史や森と人の関わりを知ることができる場所です。

ワンヘルスミュージアム

ワンヘルスミュージアムの内部
四王寺山の樹木や世界の昆虫の標本も展示されています

 

石畳の道
西鉄から寄贈された石畳は、昔の路面電車の軌道に使われていたものです。

 

以前は田んぼとして使われていた谷あいに湿地環境ができていて、色々な水生生物が棲んでいます。

コース内の湿地とここにいたイモリとドジョウ

鮎帰の滝

焼米ヶ原の草原にまだサイヨウシャジンが咲いていました。

サイヨウシャジン(キキョウ科)の花

ハクサンボク(レンプクソウ科)の実

 

樹齢100年を超えるものもあるといわれているヒノキの森です。

人工林としては、間伐などしっかり管理されているので、林床まで光が入る気持ちのいい森となっています。

ヒノキの森
ラクウショウ(スギ科またはヒノキ科)の膝根

湿地帯にメタセコイアによく似たラクウショウの林があります。

この木は沼杉ともいわれるほどで、湿地によくみられ、根からの呼吸のため周辺の地面から「呼吸根(膝根)」をたくさん出しています。

 

ドウダンツツジの紅葉

大野城は西暦665年頃に天智天皇(当時は中大兄皇子)の命による朝鮮式山城で、基肄城、水城とともに白村江の戦いで敗れた倭国の防衛のためにつくられた城です。

山麓には今でも人里もありますが、かなり上の方にも人の暮らしの痕跡があり、今でも昔ながらの里山の姿を見ることができます。

 

来年1月から土、日曜日には管理センターの事務所にガイドが詰めていますので、お時間ありましたら是非一度お越しください。

標準コースでは4キロほどを3時間程度で散策するコースです。

 

ワンヘルスについて詳しくは福岡県のHPをご覧ください。

One Health - 福岡県庁ホームページ (fukuoka.lg.jp)

福岡県立四王寺県民の森は

home | 福岡県立四王寺県民の森 (shioujikenminnomori.org)

 

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