皆様、本年もよろしくお願いいたします。
年始早々、大きな災害や事故が連続しています。
被災された方、被害者の方々には、お見舞い申し上げます。
日ごろから、とても不安定な国土に暮らしていること、平穏な生活が当たり前ではないことを実感して、不測の事態に対し、準備は怠らないようにしなければいけませんね。
幸い、私の住む地域では、無事に新年を迎え、平穏に暮らせていることに感謝しつつ、新年初の山歩きに出かけてきました。
今年の初歩きは、脊振山地ではなく、ワンヘルスガイドのフィールド、四王寺山にしました。
というのも、四王寺山では1月には、セリバオウレンの花が咲き始めるので、会いに出かけてきました。
最近は、ガイドの拠点・管理センターからの散策ばかりでしたが、久ぶりに四王寺山登山の主要な登山口である、太宰府市の大宰府政庁跡から登ることにしました。
大宰府政庁は、奈良時代に朝鮮半島や中国との外交の玄関口として、奈良時代にこの地に置かれた役所です。
菅原道真公が、讒言により大宰府に左遷され、これを苦にこの地でなくなってしまったという話は有名ですね。
ちなみに、太宰府天満宮は、大宰府政庁とは違い場所にあります。
最近では今の元号「令和」にゆかりがあるということで、この近くの坂本八幡宮が有名になりました。
今回は、大宰府政庁跡から、岩屋城を経由して焼米ヶ原、大原山方面を歩きます。
今回の行程にある岩屋城は戦国時代の山城です。
豊後の大友氏の家臣、高橋氏による筑前支配の拠点のひとつで、戦国末期には、城主である高橋紹運と北上してきた島津氏との壮絶な攻防戦が有名です。
今は、城跡の石碑と、この近くに高橋家の墓所が残るのみですが、城跡からは、筑紫平野、筑後平野の素晴らしい眺望が広がります。
冬場は、あまり花は望めませんが、色々な赤い実が見られます。
赤い実の植物は、「一両」から「億両」まで、それぞれの呼び方がついています。
そのうち、ヤブコウジは「十両」ですね。
「百両」(カラタチバナ)をとばして、センリョウ(こちらはそのままの名前)も実をつけていました。
山の中では、マンリョウに比べセンリョウはあまり見かけないような気がします。
脊振でも、金山山中のスギ林の中に、ひとかたまりありますが、他では見かけません。
ちなみに、ヤブコウジ(十両)、カラタチバナ(百両)、マンリョウは、サクラソウ科ですが、一両のアリドオシはアカネ科、億両のミヤマシキミはミカン科、そして、この千両はセンリョウ科です。
ついでに、同じ「センリョウ」の名前が付く、イズセンリョウも白い実をつけています。
伊豆の伊豆山神社の社林に多くみられたので、「伊豆センリョウ」となったそうです。
次は、ナス科のヤマホロシの赤い実です。
同じナス科でつる性のヒヨドリジョウゴ、マルバノホロシは実の感じもよく似ていますが、この実は、残っていた葉っぱの形からヤマホロシかと思います。
次は、ピラカンサ。これはもう大豊作?という感じですね。
実や、葉っぱの形からトキワサンザシかと思いますが、他に、同じバラ科のタチバナモドキ、カザンデマリ等がひとまとめで「ピラカンサ」と呼ばれています。
いずれも、外国産で、庭木などに植えられているものです。
そして…
今日のお目当て「セリバオウレン」です。
セリバオウレンは、本州、四国に分布するもので、九州には自生地はありませんが、薬草として修験者が、修行に訪れた各地の山に植えたものとされています。
雌雄異株の草花で、おしべだけの雄花、めしべだけの雌花と、両方ある両性花があります。
今回咲いていたのは、両性花ばかりだったようです。
葉っぱは、その名の通りセリの葉のようですね。
2月くらいまで咲いているそうです。
セリバオウレンの群生の中にジャノヒゲの青い実が輝いていました。
登山道の途中で、迫力のあるスダジイに出会いました。
これは、ヤブツバキの根っこ。
なんだかなまめかしい…?
今回は、ワンヘルスガイドの仲間と3人で、歩き初めでした。
まずは、セリバオウレンの花に会えてよかった。
雄花、雌花も見たかったけど。
今年も、平穏に山や自然を楽しめますように。
2024年1月7日山行