しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

初夏のくじゅうへ

登山者の少なそうな6月平日を狙って、くじゅう・坊がつるでのんびりしようと、出かけましたが…

北大船山から三俣山方面を望む

冒頭の写真の通り、まだミヤマキリシマの花がかなり残っていて、花見の登山客も大勢。

まあ、大渋滞ではなかったので良かったし、北大船山と平治岳には結構咲いていて、思いのほか、素晴らしい景色に出会えました。

 

最近の運動不足で、長者原や牧ノ戸から坊がつるに入るのは、つらそうだったので、今回も最短の吉部からのコースです。

このコースは、登山口からしばらく進むと、すぐに急登があり、これを登り切ると、あとはほとんど平坦な道で、本当に楽なコースです。

吉部ルート唯一の急登

 

急登のあとは、しばらくスギ林の中を行く

急登を登り切ったあと、少しスギの林が続きますが、ここもなかなかいい雰囲気です。

 

登山道脇の斜面には、ニシノヤマタイミンガサの群落が見られます。

ニシノヤマタイミンガサ(キク科)

この植物の花はとても地味ですが、新芽が出たときは、小さな開きかけの傘がたくさん並んでいるようで、なかなかかわいらしい風景になります。

これによく似たヤブレガサも九州に分布する…となっていますが、九州の山で見られるのは,ほとんどがこのニシノヤマタイミンガサのような気がします。

福岡県では、2011年のRDBで絶滅危惧Ⅱに指定されています。

 

スギ林を抜けると、ミズナラの林になりますが、途中大きなイイギリやカツラの大木に出会います。

カツラ(カツラ科)の大木
秋には甘い匂いがします。

ミズナラ林の道

登山口から1時間あまりで、広々とした坊がつるの盆地の北の端に出ます。

坊がつるへ

坊がつるのテント場

この日は、夕方から雨の予報だったので、手早くテントを張って、法華院の山小屋へビールの買い出しに出かけ、テントに帰ってきたら雨が降り始めました。

テントの中で火が使えないので、炊事場の屋根の下で他の登山者の方とビールや焼酎を飲みながら、山の話なんかしながら、食事です。

これは、これで楽しい。

風がないのが幸いですが、星空が見込めないので、早めに寝ます。

 

雨の音やらで、何度も目が覚めますが、4時頃真っ暗な中ホトトギスが鳴き始め、目が覚めます。

雨は上がっていますが、大船山の稜線もまだ雲に覆われています。

せっかくなので、ご来光は無理でも、人の少ない時間に花見をしようと、大船山麓の暗い森の中に入っていきます。

ダンバル下から中岳方面

途中で夜が明け段原が近づいてくると、ちらほらとミヤマキリシマのピンクが現れ始めます。

 

段原から見ると、大船山より北大船山の方が花がびっしりなので、今日は大船山の最後の上りをサボって、北大船山を目指します。

さてさて、北大船山周辺のミヤマキリシマをお楽しみください。

段原から大船山方面の斜面

奥には平治岳のミヤマキリシマも見えています。

 

 

少し雨が降ったり、ガスで景色が隠れたりで、しばらく北大船山をうろうろして、坊がつるに下りてくると、すっかり晴天に…

坊がつるから白口岳、中岳方面を望む

坊がつるから北大船、大船山

今日のところは、このくらいにしておいてやろう!

ということで、朝食をとってそそくさと、テントを撤収。

下山にかかります。

 

ミヤマキリシマ以外の花や生き物たちをどうぞ

ベニドウダン(ツツジ科)の花

鳴子川のほとりにアサガラ(エゴノキ科)の花

 

オカオグルマ(キク科)

フタリシズカ(センリョウ科)

ニホンカワトンボ…かな?

 

ルリタテハ

 

ホオアカ
坊がつるの草原でたくさんのホオジロがさえずって…と思って、よく見ると
…ホオジロの仲間のホオアカでした

オオルリ

登山口まで下りてくると、道路脇の森の中でオオルリの美しいさえずりが聞こえるので、しばらく探していると、目の前に出てきてくれました。

緑の中で撮影すると、あのきれいな深い瑠璃色が画像には出ないんですよねぇ…

 

今回は、天候がいまいちで、星空は見えませんでしたが、それでも花は見事で、楽しいテント泊山行となりました。

また、梅雨が明けたら行こうっと!

 

2024年6月6日、7日山行