前の週に出かけた小爪谷で、数か所アブやブヨにやられたので、今回は沢の少ないコースで…と、佐賀側の林道から金山~小爪峠を歩いてきました。
先日の豪雨のあと、佐賀県側の林道もあちこちで崩れて、通行止めになっていましたが、かなり早めに片付けられているようです。
福岡市側はまだ全然手が入っていなくて、寸断されたままですが。
林道の登山口(山中地蔵上)から1時間ほどで金山山頂です。
この日は暑さもありましたが、稜線は北寄りの風でかなり涼しくて、ときおり南北の景色を楽しみながら、のんびり歩いてきました。
涼しげな沢の小滝の風景を
途中のスギ林もよく手が入っていて、林床まで明るい。
金山付近の稜線にはブナの森が広がっています。
九州のブナ林は、林床にミヤコザサがびっしり。
独特の風景となっています。
ただ、このミヤコザサが、日本のブナ林の実生を妨げているともいわれています。
「実生」つまり、母樹から落ちた実(種)が、新しく芽吹くことですが、これだけササ藪になっていると、なかなか芽吹けません。
それによって、ブナ林自体の更新ができずに、ブナ林がどんどん減っているそうです。
もちろん、気候変動、シカの食害も大きな影響を与えているんですが。
自然の流れはしょうがないかもしれませんが、なんとかこのブナ林を残したいものです。
花もいろいろ咲いてます。
先週、つぼみを紹介したコバギボウシが、もう咲いていました。
山野草としては、大ぶりの花で上品な花ですね。
好きな花のひとつです。
ホトトギスの名前は、花弁の赤い模様が鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることから、つけられたそうです。
そんなに似てませんけどねえ…(笑)
オトギリソウは、悲しい伝説が…
「悲しい伝説」は、昨年も紹介したので割愛しますが、稜線にたくさん咲いています。
脊振でも数種類のオトギリソウが見られるようですが、なかなか分類が難しいので、「オトギリソウ」としておきます。
こちらは林道沿いで
シソ科の、よく見かけるやつです。
虫たちも…
今はトンボたちが元気です。
多分、オオシオカラトンボの♀でしょう。
あんまり見たことないです。
こっちは、普通のシオカラトンボの♀です。
こっちは林道を飛んでいたました。
ミヤマサナエのようですね。
同じく林道で葉っぱの裏に派手な色の毛虫が
フクラスズメというガの幼虫のようです。
成虫は地味です。
毒々しい原色の幼虫は、「毒があるかもよ、危ないやつだよ」というアピールをして身を守っているとも言われています。
このフクラスズメには毒はないそうです。
本当は気が弱いのに、イカツい格好して歩いている若者のようなものです。(笑)
金山の稜線では、よくツマグロヒョウモンを見かけます。
クロアゲハかとも思いましたが、下翅の模様や尾の長さから、オナガアゲハのようです。
ちょっとピンボケしましたが
稜線でクツワムシ(多分)が飛んできました。
金山の山頂のコゴメウツギの枝にシマヘビが休憩していました。
シマヘビは普通臆病で、人に気づくとすぐ逃げるのですが、こんなところで日向ぼっこをしているところをみると、体温が下がって動きが鈍っているのかもしれません。
アブを避けたつもりでしたが、1個だけやられました。
森林香(強力虫よけ線香)と虫よけ剤をしっかりやっていたんですが。
虫よけしながら虫の写真を撮って…
なんとも…
2023年8月13日山行
ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は地域の人々に自然や森林の大切さを伝えています。