しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

まだ残暑…の車谷

最近、車谷に足が向いてないなあと思い、少し寝坊してしまったのもあって、車谷ー椎原の周回コースを歩くことにしました。

…が、よく考えたら今年はサンショウウオやらキツネノカミソリやらで、車谷には頻繁に出かけていたことに気付いて…ま、いっか。

気象レーダーから脊振山をのぞむ

ここのところ残暑が厳しくて、この日も平地では最高気温が30度を超えていました。

沢沿いは涼しいのですが、歩くと汗びっしょり。

 

そういえば登山口付近で、クツワムシが葉っぱにとまっていました。

やっぱり秋にはなってるんですねえ

クツワムシ

車谷の小滝

沢沿いに登って行くと、ちょくちょく先日の台風の爪痕が残っています。

台風の爪痕

徒渉点の登り口に倒木が…

 

秋の花も咲いています。

タカクマヒキオコシ(シソ科)

シソの仲間でタカクマヒキオコシです。

花はヤマハッカに似ていますが、花の密度がずいぶん違います。

 

シロヨメナ…だと思うんですが、咲いてます。

シロヨメナ(キク科)…だと思うんですが

稜線の明るいササ原にもたくさん咲いてます

秋に咲く白色系の野菊の仲間はよく似ていて区別が付きにくいですね。

シロヨメナ(ヤマシロギク)、シラヤマギク、ヨメナ、ノコンギク… 難しい…

 

アザミもちょっと苦手です。

ヒメアザミ(キク科)…かな?

多分、ヒメアザミかと思いますが。

トゲも痛いし…(苦笑)

 

サラシナショウマかと思いきや、大きな葉っぱのオオバショウマのようです。

オオバショウマ(キンポウゲ科)

サラシナショウマと同じく、コップが洗えそうですね。

 

カヤの実がなっています。

カヤ(イチイ科)の実

ブドウのような色ですが、中身の種の部分が食べられるそうです。

ただ、油分が多くてあく抜きしたり炒ったりしてやっとおいしくいただけるそうですね。

あと、生薬とか油をとったりと利用されていたそうです。

 

矢筈峠から、今日はまっすぐ気象レーダーの方へ登ってみました。

ススキがあちこちで風に揺れています

気象レーダーから金山方面をのぞむ

ここは、360度すごく眺めがいいんです。

まあ、レーダーを設置するくらいですから、開けた場所でないとね。

 

矢筈峠付近にはブナの森とアカガシの森が広がっていて、ドングリを付けたミズナラもあちこちに見られます、

ミズナラ(ブナ科)のドングリ

ブナの実

今年はブナの実もたくさん落ちています。

豊作なのかな?

ただ、ブナの場合豊作の年はあまり芽吹かないという話もあります。

脊振のブナ林は、林床のミヤコザサが強くてなかなか実生しません。

このまま、脊振のブナ林も消えてゆくのでしょうか?

 

久しぶりに唐人の舞に寄ってみました。

マユミ(ニシキギ科)の実

大きな石舞台?(めちゃくちゃとんがった岩)の脇のマユミの木にたくさんの実が付いていました。

まだ、割れていませんが、5裂するツリバナに対して、マユミの実は4裂です。

 

稜線のアカガシの森に入るとアカガシのドングリがたくさん落ちています。

アカガシ(ブナ科)のドングリ

ナワシログミ(グミ科)の地味な花

ナワシログミの花が咲いていました。

時季のせいか、すごく地味です。

 

クロヒカゲ
ミヤコザサの中にたくさん飛び交っています。

 

アカタテハ

開けた場所でアカタテハが縄張りを張っています。

この子も前翅がかなり欠けていて、ずいぶん戦ったんでしょう。

 

ササ藪の中で「ちっ、ちっ」とソウシチョウの地鳴きが…

ソウシチョウ

可愛いんですけど、特定外来種ですね。

春のさえずりものんびりした気分になって好きなんですけどねえ

 

枯れかけた、カエデかシデの木にキノコが生えています。

キノコ…ナメコダケ…かなぁ…

なんかおいしそうな…ナメコダケのような…

でも、キノコはわかりません。

 

こっちはキノコに生態は似ていますが、一応ツツジの仲間のアキノギンリョウソウです。

この秋も、もう何度も紹介していますね。

アキノギンリョウソウ(ツツジ科シャクジョウソウ属)

 

椎原のメタセコイアの森です。

メタセコイアの森

メタセコイアは昭和初期までは化石でしか見つかっていなかった植物で、終戦直後に中国で生きた状態の個体が発見されたそうです。

別名「アケボノスギ」と呼ばれ、日本には、はじめアメリカから送られたものが入ってきたそうです。

昭和天皇がアケボノスギの歌を詠まれたとの話もあります。(内容は覚えてませんが)

 

スギの間伐材

スギの林もすっきり

椎原の登山口まで来ると、周辺の杉林に間伐が入っていました。

木は貧弱ですが、間伐ですっきりして林床に光が入っています。

人工林も花粉症をはじめ、いろいろと厄介者扱いをされますが、先人が残してくれたせっかくの資源なので、しっかり利用しながら、ちゃんと管理していかなければいけませんね。

 

2022年10月1日山行

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