しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

冬枯れの縦走路(金山)

最近、更新がすっかり遅くなってしまっています。

もし、お待たせした方がいらっしゃいましたら、すみません。(だれもいないとは思いますが…苦笑)

もう2週間以上前のことですが、今年初めての脊振歩きですので、アップします。

金山山頂

今年初めての脊振は、軽く佐賀県側から金山へ登り、小爪峠まで縦走路をそぞろ歩いてきました。

 

年末の寒波の雪もなく、ただただ冬枯れの山です。

稜線のブナ林

とはいえ、やはりこのブナの森の縦走路は気持ちいいですね。

ブナの幹に、ふかふかの苔が冬の陽を浴びて光っていました。

ブナの幹に着いた苔が光っています

アカガシの森には、赤い実がたくさん。

ミヤマシキミ(ミカン科)の実

ミヤマシキミの実ですね。

最近は、「万両」の上の「億両」と呼ばれたりするようです。

ミカン科ですが、「シキミ=悪しき実」の名の通り、毒があります。

葉っぱは、ちぎると柑橘のさわやかな香りがします。

 

 

縦走路から金山を振り返る

縦走路から振り返ると、金山のピークがとんがって見えます。

向こうには井原山も見えていますね。

 

青空にブナの冬芽

 

縦走路の岩場から脊振山を望む

これも、いつもの撮影ポイント。

最近「マムシ岩」と呼ばれているようですが、眺望のいい岩場に「マムシ注意」の看板があるだけで、ここでマムシに出会ったことはありません。

が、ヤマカガシには会ったことがあります。

猟師ヶ岩山の向こうに脊振山の山頂が望める、気持ちのいい場所です。

 

小爪峠から見上げる猟師ヶ岩山

林道わきに咲いていたヤブツバキ(ツバキ科)

小爪峠から、林道に下ると、林道わきにヤブツバキの花がもう咲いていました。

今回は、なんという目的もなく、縦走路をのんびりと歩いてきました。

早く春が来ないかなあ・・・

 

2024年1月13日山行

 

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新年山歩き - 四王寺山

皆様、本年もよろしくお願いいたします。

年始早々、大きな災害や事故が連続しています。

被災された方、被害者の方々には、お見舞い申し上げます。

 

日ごろから、とても不安定な国土に暮らしていること、平穏な生活が当たり前ではないことを実感して、不測の事態に対し、準備は怠らないようにしなければいけませんね。

 

 幸い、私の住む地域では、無事に新年を迎え、平穏に暮らせていることに感謝しつつ、新年初の山歩きに出かけてきました。

岩屋城址から筑紫平野を望む

今年の初歩きは、脊振山地ではなく、ワンヘルスガイドのフィールド、四王寺山にしました。

というのも、四王寺山では1月には、セリバオウレンの花が咲き始めるので、会いに出かけてきました。

大宰府政庁跡

 最近は、ガイドの拠点・管理センターからの散策ばかりでしたが、久ぶりに四王寺山登山の主要な登山口である、太宰府市の大宰府政庁跡から登ることにしました。

大宰府政庁は、奈良時代に朝鮮半島や中国との外交の玄関口として、奈良時代にこの地に置かれた役所です。

 菅原道真公が、讒言により大宰府に左遷され、これを苦にこの地でなくなってしまったという話は有名ですね。

 ちなみに、太宰府天満宮は、大宰府政庁とは違い場所にあります。

 最近では今の元号「令和」にゆかりがあるということで、この近くの坂本八幡宮が有名になりました。

 

 今回は、大宰府政庁跡から、岩屋城を経由して焼米ヶ原、大原山方面を歩きます。

岩谷城址

今回の行程にある岩屋城は戦国時代の山城です。

豊後の大友氏の家臣、高橋氏による筑前支配の拠点のひとつで、戦国末期には、城主である高橋紹運と北上してきた島津氏との壮絶な攻防戦が有名です。

今は、城跡の石碑と、この近くに高橋家の墓所が残るのみですが、城跡からは、筑紫平野、筑後平野の素晴らしい眺望が広がります。

 

冬場は、あまり花は望めませんが、色々な赤い実が見られます。

ヤブコウジ(サクラソウ科)の実

赤い実の植物は、「一両」から「億両」まで、それぞれの呼び方がついています。

そのうち、ヤブコウジは「十両」ですね。

 

「百両」(カラタチバナ)をとばして、センリョウ(こちらはそのままの名前)も実をつけていました。

センリョウ(センリョウ科)…なぜかクリスマス感が

山の中では、マンリョウに比べセンリョウはあまり見かけないような気がします。

脊振でも、金山山中のスギ林の中に、ひとかたまりありますが、他では見かけません。

 ちなみに、ヤブコウジ(十両)、カラタチバナ(百両)、マンリョウは、サクラソウ科ですが、一両のアリドオシはアカネ科、億両のミヤマシキミはミカン科、そして、この千両はセンリョウ科です。

 

ついでに、同じ「センリョウ」の名前が付く、イズセンリョウも白い実をつけています。

イズセンリョウ(サクラソウ科)

 伊豆の伊豆山神社の社林に多くみられたので、「伊豆センリョウ」となったそうです。

 

 次は、ナス科のヤマホロシの赤い実です。

ヤマホロシ(ナス科)

同じナス科でつる性のヒヨドリジョウゴ、マルバノホロシは実の感じもよく似ていますが、この実は、残っていた葉っぱの形からヤマホロシかと思います。

 

次は、ピラカンサ。これはもう大豊作?という感じですね。

ピラカンサ(バラ科)

実や、葉っぱの形からトキワサンザシかと思いますが、他に、同じバラ科のタチバナモドキ、カザンデマリ等がひとまとめで「ピラカンサ」と呼ばれています。

いずれも、外国産で、庭木などに植えられているものです。

 

そして…

今日のお目当て「セリバオウレン」です。

セリバオウレン(キンポウゲ科)

セリバオウレンは、本州、四国に分布するもので、九州には自生地はありませんが、薬草として修験者が、修行に訪れた各地の山に植えたものとされています。

雌雄異株の草花で、おしべだけの雄花、めしべだけの雌花と、両方ある両性花があります。

今回咲いていたのは、両性花ばかりだったようです。

葉っぱは、その名の通りセリの葉のようですね。

2月くらいまで咲いているそうです。

 

セリバオウレンの群生の中にジャノヒゲの青い実が輝いていました。

ジャノヒゲ(キジカクシ科)の実

登山道の途中で、迫力のあるスダジイに出会いました。

スダジイ(ブナ科)

これは、ヤブツバキの根っこ。

ヤブツバキ(ツバキ科)の根

なんだかなまめかしい…?

 

今回は、ワンヘルスガイドの仲間と3人で、歩き初めでした。

まずは、セリバオウレンの花に会えてよかった。

雄花、雌花も見たかったけど。

 

今年も、平穏に山や自然を楽しめますように。

 

2024年1月7日山行

 

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車谷から鬼ヶ鼻岩へ

ここのところ、同窓会やら体調不良やらで思うように山へ出かけることができませんでしたが、やっと、少し余裕ができたので足慣らしに車谷ー鬼ヶ鼻を周回してきました。

唐人の舞付近から福岡市内を望む

 

山はもう紅葉もほとんど終わっています。

車谷の上の林道より下では、少し紅葉の残りが見られます。

イロハカエデ(ムクロジ科)の紅葉

イロハカエデは、おそらく植樹されたものでしょう。

脊振では、コハウチワカエデをよく見かけます。

コハウチワカエデ(ムクロジ科)の紅葉

登山道はカエデの落ち葉でふかふか

登山道のカエデの木の下は赤い落ち葉でふかふかになっています。

脊振では、カエデの仲間は、イタヤカエデ、カジカエデ、コミネカエデ、ウリハダカエデ、ウリカエデ、チドリノキあたりがよく見られます。

 

今年は、秋になっての冷え込みが今ひとつで、紅葉の色づきもあまりよくないように思います。

 

 

大ケヤキの足下も落ち葉でふかふかです。

ケヤキの森も落ち葉の道

 

稜線に出ると、もうすっかり冬枯れの風景ですね。

冬枯れのミツバツツジの縦走路

ミツバツツジ(コバノミツバツツジ)やリョウブ、ネジキ、タンナサワフタギ等の低木の林は葉が落ちで、日差しが入って気持ちよい散歩道になっています。

 

今日は天気が良くて、金山への山並みもくっきり見えています。

唐人の舞下から金山への山並み

 

不意に遠くから口笛のような鳴き声が近づいてきます。

ウソ♀

ウソです。(本当に)

鳥のウソですよ。

ウソはいつもつがいで飛び回っているようで、オスは鳴き声のみ、メスの方が姿を見せてくれました。

メスは、ノドのあたりのピンク色はなくて、薄い褐色。

かなり地味です。

太宰府天満宮の「ウソ替え神事」に使われる「木ウソ」は、この鳥の姿を木片に彫り込んだものです。

 

ヤマガラ、シジュウカラ、エナガもわちゃわちゃと飛んでいました。

ヤマガラ

冬は赤い実が目立ちますね。

マユミ(ニシキギ科)の実

実が4つに割れるのは、マユミ、同じ仲間のツリバナは5つに割れます。

 

ソヨゴ(モチノキ科)の実

ソヨゴの実は長い柄が特徴ですね。

 

足下にはツルリンドウの実が…

ツルリンドウ(リンドウ科)の実

ツルリンドウは、実になってもしばらく実のまわりに花びらが残りますが、さすがにもう茶色く枯れています。

 

椎原峠を抜けて、鬼ヶ鼻まで歩いてみました。

鬼ヶ鼻岩から脊振山を望む

お気に入りの鬼ヶ鼻東側の岩の上からは、脊振山の姿もくっきり。

ここから見下ろす谷の風景がすごく雄大で、気持ち良く感じます。

写真ではわかりませんが・・・

 

直登コースを下るつもりでしたが、上から見るとメタセコイアの森が気になって、椎原峠(西)に戻って、メタセコイアの森を目指して下ります。

紅葉したメタセコイア(ヒノキ科)の森

メタセコイアも赤く色づいてはいますが、今年は鮮やかさが今ひとつのようでした。

 

最後に、登山口付近で紫の宝石を見つけたので・・・

ヤブムラサキ(シソ科)の実

ムラサキシキブ(シソ科)の仲間のヤブムラサキです。

紫の実がとても上品できれいです。

葉っぱは落ちていましたが、触るとふかふかで気持ちのいい葉っぱです。

 

久しぶりにのんびりと脊振の山並みを散歩してきました。

気持ちよかった!!

 

2023年12月10日山行

 

 

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滝川谷から金山へ

大雨・台風のあと、林道が通行止めになっていたので遠慮していた、滝川谷に出かけてみました。

今回は、車で花乱の滝からせまーい林道を抜けて、登山口に向かいます。

登山口に近づくと、林道はやや荒れて、両側から伸びてきているハギ等の枝がギイギイと車体をこすります。

金山山頂

春に見つけて気になっていたカツラの木、もうすっかり葉が落ちて、自慢の甘い香りもほとんど感じません。

カツラ(カツラ科)の木

それでも、落ち葉を見つけて香りをかぐと、かすかに甘い香りがします。

来年は、もう少し早い時期にきて、しっかり香りをかぎたいですね。

 

滝川谷入口の大滝

大杉

スギ林を抜けて、沢の橋を渡るとすぐに大きなスギの木が鎮座しています。

滝川谷の門番、勝手に「仁王杉」と名付けました。

 

標高の低いところでは、イロハカエデがたくさんあります。

コケにイロハモミジの落ち葉

この辺りは、もう紅葉も終わって、落ち葉だらけになっています。

 

ヤマハッカ(シソ科)

今日は、あまり花が期待できませんが、かろうじてヤマハッカの花が残っていました。

 

 

沢沿いでは、まだ起きてるカエルが・・・

タゴガエル・・かな?

タゴガエルでしょうか?

もう寒くなってるので、早く寝なさい!

 

今日も滝川谷の沢には豊富な水が流れています。

滝川谷の沢は今日も豊富な水量

 

サネカズラ(マツブサ科)の実

 

何年ぶりでしょう?

20年近く出会っていなかった…

下の画像の中に、生き物がいます。

わかりますか?

ここに生き物がいます・・

 

正解は・・・

ナナフシ

ナナフシです。

本当に久しぶり。

絶滅していなかった。

良かった!

それにしても、立派な擬態です。

 

珍しいバッタが…

と思ったら

フキバッタ

上の画像はどちらもフキバッタのようですが、左側はすでに息絶えていて、体にカビが生えてきています。

右側は、まだ生きていますが、触れてもほとんど動かず、左みたいになるのも時間の問題かも。

こうやって分解されて、また、植物の栄養になるんですね。

 

ところで、フキバッタの顔をまじまじと見てみると、やっぱり仮面ライダーに似ていますね。

仮面ライダー?

山頂付近は、冷たい風が吹いていました。

山頂付近のブナ林

ブナ林もすっかり冬景色です。

 

ふいに、短い口笛のような鳴き声が聞こえてきて

ウソ

カメラを向けるとすぐに逃げて行ってしまいましたが、久しぶりにウソに会えました。

のどの茜色が美しい。

「ひゅっ、ひゅっ」と人が吹いている口笛のような声で、つがいで飛んできました。

 

 

フユイチゴ(バラ科)

フユイチゴも、そろそろ時季ですが、食べてみたらまだ酸っぱい!

 

赤い実がたくさん見られます。

ヤブコウジ(サクラソウ科)

ヤブコウジは、別名「十両」

千両、万両から来た呼び名ですね。

 

アリドオシ(アカネ科)の実

これは、「一両」

アリドオシの実です。

 

シロダモも、今花と実の時季です。

シロダモ(クスノキ科)の実

実の感じもクスノキ科らしいですね。

 

森の中で、枯れた木の幹にきれいな丸い穴

誰の家?

誰かの家かもしれませんね。鳥?ムササビ?

 

 

クリタケ?かなぁ

キノコも沢山見られますが、やっぱり難しい。

 

シジュウカラとヤマガラの声が聞こえると思って、見上げて姿を探していると、すぐにエナガの群れがやってきました。

エナガ

はやりのシマエナガほどではありませんが、かわいい!

ちなみに、シマエナガは北海道に生息していますが、九州にはいません。

エナガをかわいがりましょう。

 

縦走路の落葉樹林から金山の稜線

 

ウリハダカエデ(ムクロジ科)の紅葉

今日は、時々晴れはしましたが、どんよりした曇の時間が多くて、もうすっかり冬の雰囲気でした。

ちなみに、滝川谷の登山道は車谷や井原山方面よりも台風の影響は少なく、ほとんど影響はわからないくらいです。

 

紅葉が終わってしまうと、山も寂しくなりますね。

もうすでに、春が待ち遠しい…

 

2023年11月11日山行

 

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1年ぶりの九重キャンプ(2日目・大船山)

2日目は、3:30に起床。

寒さで少し寝不足ですが、まあ、ゆっくり歩けば大丈夫そうです。

テントから這い出すと、フライシートには凍りついた夜露が張り付いています。

靴を履いて、準備していたサブザックを背負って、4:00には真っ暗な森の中の登山道に取り付きます。

朝日を浴びた大船山頂

九重町の日の出は、6:40くらいになっていたようですが、山頂からだと少し早くなるでしょう。

それでも、2時間以上は時間があるので、ご来光には間に合いそうです。

道は、真っ暗な上に溶岩がゴロゴロしていて歩きにくいので、ゆっくり登ります。

途中4組くらいの登山者に先を譲りました。

 

6:00過ぎに山頂へ到着。

大船山の肩にあたる段原からは、空も明るくなってきて、東には水平線のような一直線の雲がかかっています。

カメラが使えないので、風景を心に焼き付けようと決心していましたが、この美しい景色を見ると、もう、何でもいい、そうだ、スマホがあるじゃないか!

ということで、スマホでの撮影としました。(画質はかなり落ちますが、ご容赦を)

 

おーっ! 6:20前に明るい点が出てきました。

大船山頂からのご来光

お日様は本当に暖かい。

山頂からの景色をご覧ください。

北東方面に由布岳

山頂の紅葉と祖母・傾山系

 

 

 

阿蘇五岳も美しい

朝日に照らされる山頂の紅葉

日が昇ると、左手には由布岳の双耳峰、右の遙か先に祖母・傾の山々。

後ろを振り返って、久住山・中岳の山塊と少し南側には阿蘇五岳もきれいに見えます。

ここ数日、朝晩の気温差が大きいのですが、雲海はあまり出ていません。

 

明るくなると美しい紅葉が現れます。

 

山頂でパンと暖かいスープの朝食をとって、北大船山に向かいます。

北側の斜面の紅葉も見事です。

山頂直下の紅葉

北大船北西斜面の紅葉

紅葉は、ミヤマキリシマの葉のグラデーションと、コミネカエデ、ウリハダカエデ、標高が低めの場所は、シラキも見られます。

 

段原まで戻ると、まっすぐ稜線を進み北大船山に向かいます。

北大船山頂

北大船稜線から九重山塊を望む

北大船山稜線から大船山を振り返る

北大船山は、開けた稜線を、景色を楽しみながらのんびり歩き、北側の平治岳との鞍部まで下りて、坊がつるのテントまで帰ります。

 

テントがすっかり濡れてしまっているので、乾かすために、坊がつるではゆっくり過ごして、11:00過ぎに下山開始です。

 

途中、ミズナラの樹液にルリタテハが止まっているのを見つけました。

ルリタテハ

最近も、たまに見かけるけど、なかなか写真を撮らせてくれないので、ここでゆっくりとらせてもらいました。(スマホだけど)

 

吉部登山口からは、2回目でしたが、テントを担いで登るには、急登も1カ所だけで非常に楽なルートです。

大船林道に出るまで、ずーっと森の中なので、夏でも暑くないし。

今後、テント泊の時は、ここを利用することが増えそうです。(もう歳だし)

 

それにしても、今回「紅葉」は、ほとんど意識していなかったので、思いがけず…でしたが、平日(火曜・水曜)にもかかわらず、結構な人出だったことをみると、みんなそのつもりで来ていて、自分がいかに何にも考えずに計画立ててたかが思い知らされます(苦笑)

あと、カメラのバッテリー・・・

 

2023年10月18日山行

 

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1年ぶりの九重キャンプ(1日目)

今年は、9月に入っても、なかなか暑さも収まらず、頃合いを見計らっている内に10月になってしまいました。

10月に入っても、週末に天候がいまいちだったりで、もう寒くなる前の最後のチャンスということで、平日(火曜日・水曜日)でしたが、恒例の九重キャンプに出かけました。

坊がつるのススキ原から中岳・白口岳を望む

今回は、牧ノ戸から、星生、久住あたりに登りながら…と思っていましたが、少し準備不足もあって、体力的にも不安があったので、20年ぶりに吉部登山口から坊がつるを目指します。

唯一の急登

登山道の様子は、なんとなくしか覚えてませんでしたが、歩いてみると、とても快適!

1カ所だけ、木の根にすがりながらの急登がありますが、あとは大船林道に出るまで、平坦で気持ちのいい森の遊歩道。

いつもの、すがもり越や雨ヶ池越経由のルートよりはるかに楽なルートです。

 

カツラの巨木

ハリギリの巨木

急登を登り切ると、ミズナラやカツラ等、落葉樹の森の中を快適に歩きます。

途中、カツラやハリギリの立派な巨木も見られます。

カツラは、今ちょうど葉っぱを落としながら、あの、キャラメルのような甘い香りを、森のあちこちに漂わせています。

 

しばらく進むと左手に「暮雨の滝」の表示。

数十メートル下ると、美しい滝が見えてきます。

暮雨(くらぞめ・くれぞめ)の滝

滝の上、奥の方にわずかに紅葉が見えましたが、写真には写りませんでした。

それほど大きくはありませんが、美しい滝です。

この川は鳴子川で、遠く有明海に注ぐ筑後川源流の一つです。

 

滝から登山道に戻ってしばらく歩くと、道沿いにたくさんのトリカブトの花が咲いています。

タンナトリカブト(キンポウゲ科)

調べてみると、ここのトリカブトも、脊振と同じ「タンナトリカブト」のようです。

林床に光が入る落葉広葉樹林のトリカブトは、紫が美しいですね。

 

この付近もシラキを中心に、木々が少しずつ紅葉し始めています。

登山道の紅葉

遊歩道のような登山道

気持ちのいい森を進んでゆくと、やがて、広い大船林道に出ます。

これは、森林の管理はもちろん、法華院山荘への物資の補給にも使われているようです。

ここからは、歩きやすい林道をのんびりと歩いて行くと、坊がつるに着きます。

冒頭のススキの原は、大船林道からの風景ですが、ちょうどススキが見事です。

大船林道から坊がつるを見渡す

坊がつるのテント場から見上げる三俣山

 

坊がつるの木道から、明日の早朝に登る予定の大船山が見えています。

大船山

テントを張って、少し散策しようかと思いましたが、たまには何もせず、のんびりもいいかな…と、しばらくぼーっと過ごしました。

テント場もススキの原

ミヤマキリシマの狂い咲き

リンドウ(リンドウ科)

16:00頃に、ぶらぶらと法華院山荘まで歩き、冷たいビールを買い込んで、おでんを煮込みながら、暗くなる前に食事を終えます。

あとは、付近の小岩の上に登って夕景を、これまたぼーっと眺めながら、焼酎お湯割りで…

 

陽が落ちてしまうと、空には文字通り、降るような星空でした。

坊がつるの星空(東側・北大船の北斜面付近)

ここで、酔いも手伝って、判断力が低下。

星空の写真を撮りまくっていたら、なんと、バッテリー切れ。

もちろん、予備もありましたが、これも✖。

あー、明日の大船山のご来光が…

テンション爆下がり・・・          

                       2日目へ続く

 

2023年10月17日山行

 

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久しぶりの飯盛山

金山へ出かけようとしたのですが、予定の登山道が通行止めやらなにやらで、時間も遅くなってしまったので、予定変更して久しぶりに飯盛山から高地山を歩くことにしました。

脊振では見かけないママコナの花も気になります。

 

まずは、登山口になる飯盛神社へ参拝。

飯盛神社拝殿・本殿

飯盛神社の御祭神はイザナミノ尊で、中宮には林業の神様五十猛(イタケル)の尊。

五十猛尊は、スサノオノ尊の子とされていて、紀伊の国の神様とも。

紀伊は林業の国ですからね。

ナギ(マキ科)の実

飯盛神社は結びの神様ともいわれており、境内にはナギの木が植えられています。

ナギの木の葉っぱは一見広葉樹のようですが、分類上は針葉樹になります。

上の写真でも少し見えますが、葉脈が平行脈になっています。

 

ジュウガツザクラ

駐車場の端に桜の花が咲いていました。

「秋さくら(春分、彼岸二度咲き桜)」の看板が立てられています。

コヒガンザクラの栽培品種ジュウガツザクラかと思います。

きれいに咲いていますね。

 

林道を上がって、登山道入口からヒノキ林の登山道に入ります。

山頂付近の照葉樹林

しばらくは、ヒノキの林が続きますが、山頂が近くなって、斜面がきつくなってくると、照葉樹林が広がります。

 

その照葉樹林の中で、面白いものを見つけました。

スダジイ(ブナ科)とクスノキ(クスノキ科)

株立ちのスダジイの中にクスノキが、まるで兄弟のように一緒に生えています。

クスノキは、まわりのスダジイに完全に囲まれています。

どちらも結構な樹齢かと思いますが、偶然スダジイの中で芽吹いてしまったんでしょうね。

 

 

ノササゲ(マメ科)

 

山頂直下の急登

飯盛山山頂(飯盛神社上宮跡)

山頂には飯盛神社上宮の跡となっていて、静かな森の中です。

 

キブシ(キブシ科)の実

ブドウのような実は、キブシの実のようです。

 

山頂を越えて、高地山、高祖山方面の縦走路に入ると、しばらくヒノキ林が続きます。

高地山への縦走路はヒノキの林の道から

ニホントカゲ

ニホントカゲが飛び出してきました。

尻尾はきれいな色ですね。

子供たちは、ニホントカゲより、色が地味で恐竜みたいなカナヘビの方が人気だそうですが…

 

樹走路の途中から飯盛山の後ろ姿が見られます。

縦走路から飯盛山越しに望む福岡市街

縦走路から脊振山地を望む

脊振山、金山、九千部山(アンテナだけ)が見えます。

 

高地山に近づくと、ナラ、ヤブツバキ、ソヨゴ、サカキ、ヒサカキ等の明るい森の道になります。

高地山へ向かう稜線の道

やっぱり… 

高地山山頂付近に咲いていました。

ママコナ(ハマウツボ科)

ママコナは、この時季九重や祖母でよく見かけますが、脊振では全然見ません。

ところが、高地山周辺では毎年咲いています。

 

帰りは、飯盛山方面に戻って、途中の分岐から日向道、アジサイの路を経由して下山します。

日向道への分岐付近

日向道は舗装された林道

日向道は、初めて歩きましたが、普通の林道でした。

林道沿いでは、花や小鳥に出会いました。

シジュウカラ

ヤブマメ(マメ科)

カラスノゴマ(アオイ科)

この花は、初めて見ました。

調べると、カラスノゴマのようです。

葉っぱからシソ科かと思いましたが、アオイ科だそうです。

 

赤とんぼの季節ですね。

リスアカネ

赤とんぼも、ナツアカネ、アキアカネ、ショウジョウトンボ、マユタテアカネ、ヒメアカネ…たくさんの種類があって、細かく見ないとわからないですね。

 

サンショウかと思ったら、イヌザンショウでした。

イヌザンショウ(ミカン科)の実

葉っぱをちぎって、においをかいでみるとミカンのような柑橘の香りがします。

 

ゴンズイ(ミツバウツギ科)の実

樹皮の模様が魚の「ゴンズイ」に似ているで有名なゴンズイの実です。

 

オトコエシ(オミナエシ科)

これは、オミナエシの仲間のオトコエシです。

中間の「オトコオミナエシ」というのもいるそうです。

時代…は関係ないか…

 

最後に少しおふざけを

狛犬を狙うカマキリ(中宮にて)

いやあ、間違いなく狛犬を狙ってますね。(笑)

 

飯盛山は、今年の1月に朝日カルチャーセンターの講座で、中宮付近までを案内しましたが、山頂はもう20年ぶりほどになります。

久しぶりでしたが、飯盛山から裏手の叶岳、高地山、高祖山は、標高400m前後の山々で、よく整備されていて公共交通機関のアクセスもまあまあなので、手軽に歩ける、なかなかいい山域です。

 

2023年10月6日山行

 

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