最近脊振以外の山に行く機会が多くなってきたので、今日こそはと出かけましたが、またまた雪山になってしまいました。
皆さん、特に九州の方は雪、大好きですよね。
私はあんまり好きではありません。(笑)
まあ、でもとにかく行ってきました。
下界から眺めても山がうっすら白くなっていたので積雪があるのは間違いないのですが、登山口からしばらくはほとんど雪はありませんでした。
上の写真はカラスザンショウの木の幹です。
若木の時は鋭いトゲがありますが、成木になるとトゲがこんなイボイボになります。
なんかキノコが生えてるみたいに見えますね。
しばらく登るとイヌガヤの葉っぱに雪が載っているのが見えます。
冷たそうですけどね、針葉樹はあまり気にしないのかな?
ところが、同じ常緑樹ですが広葉樹のアオキ、シロダモ、シキミは少しいつもと様子が違います。
これらの常緑広葉樹は、いつもなら冬でも葉っぱを開いて日の光を求めているのですが、今日は葉を下に向けています。
普通、雪の多い地方では冬に葉を落とす落葉樹が多く、これは光合成の効率の問題とか色々な理由がありますが、ひとつには積雪による枝折れをさけることもあるようです。
しかし、暖かい地方に多い常緑広葉樹(照葉樹)は雪に慣れていないので、たまに雪が降るとこうやって葉っぱの上に雪が積もらないようにしているのかも知れませんね。
見たところ同じ樹種でもある程度の大きさの成木には見られないので、まだ枝や幹が弱い幼木の生存のための知恵なのかも…
林道を越えて上の沢に入ると雪もだんだん深くなってきます。
今日は北風も強くてとても寒い!
そんな沢沿いにキツネノカミソリの芽吹きが見られます。
5月に葉を繁らせ葉っぱが枯れると7月末頃からオレンジの花を咲かせます。
でも、まだ2月はじめ。
もう芽を出して春の準備を始めていました。
雪の中から芽を出す姿はなんだか健気でかわいいですね。
とはいえ、まだまだ冬のまっただ中。
沢には色々な形のツララもできています。
矢筈峠から縦走路に出ると完全に雪景色です。
矢筈峠周辺のアカガシの森も雪の中。
縦走路を西へ、鬼が鼻岩へ向かいます。
矢筈峠からはアカガシの森とブナの森に始まって、カエデやミズナラの林、リョウブやミツバツツジなど低木の落葉樹そしてまたアカガシを中心とした照葉樹林…
風景がどんどん変わっていきます。
ちなみに、この縦走路、大半は福岡県と佐賀県の県境になりますので写真の左手は佐賀県、右手が福岡県になります。
しばらく歩くと椎原峠に到着します。
ここには十数年程前まで丸太で作ったベンチがありましたが朽ち果てて消えてしまいました。
ベンチのある風景が好きだったんですが残念です。
でも、あの丸太のベンチが自然に帰って行く過程をずっと見ていたのでなんとも感慨深いものもあります。
鬼が鼻岩に着くと尾根の方向の関係か風が収まり薄日も差して少し暖かくなったのでコーヒーなど飲みながら少しゆっくり過ごせました。
下りは直登コースの急斜面を転がるように下山です。
椎原登山口につくと昨年から伐採されていたスギの原木が積上げられていました。
これでどれくらい福岡の林業が潤うのか…いや、なかなか厳しいとは思いますが、ちゃんと伐採して、植林して順調に山を管理していければ福岡市の水源のひとつでもある室見川の源流域も守られ福岡市民としては大変ありがたいことだと思います。
最後に、稜線の広場にたくさんの動物の足跡があったので…
多分、ウサギとタヌキではないかと?
ウサギとタヌキというと何か日本昔話がはじまりそうな…(笑)
2022年2月6日 しろ鹿
ふくおか森林インストラクター会 | ふくおか森林インストラクター会は地域の人々に自然や森林の大切さを伝えています。 (forest-instructor-fukuoka.com)